◎天使 ページ1
見る度に、
ああ、天使だ と思う。
それほどにあの子は可愛い。
そんな君は俺の事が大嫌い。
健人くんの彼女との惚気をぼんやりと聞いていると、向こうから歩いてくる天使が見えた。
健人くんを置いて、そっちへ小走りで向かうと、天使は立ち止まって
うわ、また来やがった みたいな顔をした。
「Aちゃん、どこ行くの?」
無視。
つかつかと俺の隣を通り過ぎていく。
負けじと隣に並んで歩き、
「ねえ」
と肩を叩いても無視。
結局、彼女が自販機でジュースを買って、教室に戻るまでずーっと付きまとったけど無視。
肩を落として健人くんと風磨くんのところへ戻ると気の毒そうな顔をした2人。
「ちょっと見てたけど、すごいな勝利」
なぜか自分が泣きそうな健人くん。
「てかさあ、勝利モテんだからあの子じゃなくても良くね?」
携帯をいじりながらそう言う風磨くんに
「あのなあ風磨!恋ってそういうもんじゃねえの!」
と反論したのは健人くん。
そうなんだよなあ。
でも、あの子以外可愛くないんだもんなあ。
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作者名:さとう | 作成日時:2016年12月21日 12時