・銃火器マニアの困惑 ページ3
「えー、じゃあ他に残ってるのは……」
「ね、ねえもういいでしょ? ちょうどバトルも終わったし」
「あ、ホントだー。いつの間に……」
──
〈ずうっと一緒だよ、リリカ……〉
「闇堕ちベスプレだー。珍しいねー」
「……で、結局Aの好きな人って誰なの?」
「ちっ、誤魔化されないか」
「話題の逸らし方が下手すぎるよA……」
「むぅ……」
「ねーねー教えてー! 誰なの! っていうかここまで来たら実質二択じゃん! どっちなの!」
「ひ・み・つ!」
「ケチー!」
その後も教えて、とごねるメグメグと嫌だ、と断るAの押し問答が続いた。そうこうしているうちに、バトルに行っていた六人が戻ってくる。
「楽しかったね、ルルカ!」
「また一緒にバトルしようね、リリカ!」
「あー負けた負けた。でもリリカちゃんとバトルできたからいいやぁ」
「……マルコス殿のその考え方、正直羨ましいです」
「くっそ負けた……」
「ふふ、今回は僕の勝ちだね」
「あ、みんなお疲れー」
Aは六人全員に労いの言葉をかける。が、足の方は彼女の気持ちに正直なようで、お目当ての二人──13と零夜のいる方向へと一直線に駆け寄った。
「最悪だぜ全く……」
「これで勝率は五分五分だね」
「……」
メグメグは思う。やはりAは、あの二人のどちらかに恋をしている。しかし一体どっちに?
「…………あれ?」
そう思いながら13と零夜を見ていると、ある違和感に気がついた。何だろう、何かを見落としている気がする。
一見すると、目の前の光景には何の不自然もない。勝利を喜ぶ零夜と、敗北して悔しがる13。零夜を祝福し、13を慰めるA。何もおかしな点なんて……。
「…………あ」
──紅チームが敵を倒しました。
観戦中に聞こえたアナウンスを思い出す。確か、13が零夜をキルした時のアナウンスだったはずだ。……だとすると、おかしい。
「……なんで、勝ったはずのさっちんが悔しがってるの?」
──紅チームが勝利しました。
確かにそうアナウンスされたのを聞いた。なら、どうして。
「あ? 俺は勝ってねーよ」
「え、でも、さっちんは紅チームで……」
「あー……」
13が困ったようにぽりぽりと頭をかく。零夜が13の代わりにメグメグに説明した。
「僕達は、バトルの勝敗じゃなくてキル数で勝負していたんだよ」
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作者名:パト | 作成日時:2022年9月14日 18時