【ヤンデレ】色を失くした君に【オリジナルBL】 (ページ39)

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「厳しいね委員長」

「それが普通だろ。親は何とも思ってないのか」

「いないよ」

「…は？」

　居ない？

「雪村の親は離婚してて、今は一人暮らし。
　お爺ちゃんやお婆ちゃんはいるけど、まったく会ってないらしいよ。
　そんな状態が七歳から続いてる」

「七歳からって…」

「僕と雪村は小さいころから一緒だから。
　知ってるでしょ、委員長。僕の親の事」

…こいつの親は、こいつが小さいころに事故で死んだ。
それからこいつはずっと社長として経営を回している。
詳しい年齢までは知らなかったが、まさか七歳の時にはもう…

「お互いに親が居ない同士で、僕はお金があったから色々援助してたんだ。
　雪村が一人暮らしできてるのは雪村の希望を受けて僕が援助してるからだよ」

「複雑な関係だな。金銭が絡んでるならただ純粋な友達とも言えないだろ」

「委員長」

　普段の温厚な秀同院からは想像もできない冷たい声。
見上げると温度の感じられない目が僕を見下ろしていた。

「雪村は僕の友人であり、大切な家族であり、理解者だ。血は繋がっていなくとも僕らはそうやって自分たちを支えてきた。
　その関係を否定するなら、委員長であろうと僕は容赦しない」

「…悪い」

「分かってくれるならいいんだよ。
　委員長は謝るのが早くて本当にいい理解者だね、ありがとう」

　いつもの笑顔に戻ったのを見て胸をなでおろす。
…普段温厚な奴が怒るときほど怖いものはない。

「家の使用人はどう思ってるんだ？」

「知らない。人の感情を把握できるほど僕は優れてないしね」

　それはそうだ。

「ただ、良くは思ってないと思うよ。僕のことも、雪村のこともね」

「…お前のことも？」

「高校生だからね。そんなのが社長で従う気になるかって話だよ」

　なるほど。