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小太郎と共に中庭にある花壇まで来た。
花と喋ろうとする小太郎は本当に可愛らしいのだが、
今日は一人邪魔ものがいた。

「おはよう、二人とも。今日も早いな」

「塵先生!」

 塵壮馬 22歳。
小太郎のクラスの副担任で、小太郎が所属している園芸委員の担当教員でもある。
若いからかそれとも明るいからか、男女問わず生徒に人気だ。
僕のことを何かと気にかけてくるが、正直凄くウザい。
前はカウンセリングの先生と話すように言ってきた。
僕に可笑しいところはない。

「水やりだよね。
 じょうろ持ってくるから待ってて」

「はい、ありがとうございます」

 教員たちは全員、小太郎が弱視であることを知っている。
生徒の中では僕以外に数名知っている程度だが…

「…小太郎」

「はい!」

 ニコッと微笑みかけてくれる。それだけで僕は幸せになれた。
でも、この気持ちは小太郎に知られてはいけない。
まだ小太郎は何も知らない純粋な状態。
それを汚すのはとても快感だろうが、僕はそんなことはしない。
知られるならもう少し、オトナになってから。それか、僕が我慢の限界になったら。
どっちが先に来るかは分からないが、
小太郎はこの気持ちを受け止めてくれると確信している。

「?」

「…」

「どうしたんですか?」

 見つめられて首をかしげる小太郎。
…今すぐ抱きしめて家の地下室に閉じ込めたい…!
欲望が顔に出るのを抑えながら「何でもない」と答えた。

「跳野君って、たまに不思議なところありますよね」

「そうか?」

「はい!」

 そうやって幸せな時間を暮らしていると先生が戻ってきた。
じょうろに水を汲んで戻ってくるだけでどれだけ時間がかかっているんだ。

「はいどうぞ、重いから気を付けてね」

「ありがとうございます!」

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作者名:future*show | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年8月4日 17時

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