【ヤンデレ】色を失くした君に【オリジナルBL】 (ページ14)

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帰り道、わざと公園の前を通る。
…眞弥と卯妙は目がいい。
特に眞弥は暗い中でも正確に物を見ることができる。
対して僕はビタミンＡ不足による夜盲症…いわゆる、鳥目だ。
そのため暗い中はなかなか物が見えない。
現に電気を付けてない寝室で延々と電気のスイッチを探していたことがある。
そんな僕が木村を見つけるのはあまりに不自然だ。
少し申し訳ないが、二人のどちらかに倒れている木村を見つけてもらおう。

「あれ、あっこ誰か倒れてるぞ！」

「本当だ…
　兄さん、青さん、少し待っててください」

　鳥目の僕と暗闇だと人がいるかどうかも分からない小太郎を残して木村の所へ行く。
少しすると「わぁぁぁ！？」という眞弥の叫び声が聞こえた。
小太郎の手を握って慎重に歩く。
…金髪の高校生が足から大量の血を出してうずくまっていた。
ロボットの足跡はない。

「これ、誰？」

「な、何があるんですか？」

「金髪で、血が出てる…高身長の…」

「っ…！？」

　小太郎はしゃがんで男の顔をまじまじと見る。
そして小さく声を出した。

「…跳野君…この人…」

「もしかして…木村、か…！？」

　なかなかいい演技だと思う。
一応木村は一年生の時に同じクラスだった。
僕が知っていても違和感はない。

「…ねぇ、青さん」

「な、なんだ？」

　卯妙が僕を見上げているであろうことが分かる。
何だろう、この恐怖は。何だろう、この違和感は。
…何でこの子は、こんなに冷静なんだ…？

「…いえ、今は問い詰める場合ではありませんね。
　まずは救急車を呼びましょう」

「…」

「僕は携帯を持っていないので、お願いできますか？」

　ポケットから携帯を出す。
手元が明るくなった。
…救急車を呼ぼう。