【ヤンデレ】色を失くした君に【オリジナルBL】 (ページ13)

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「青さんのお家って今まで行ったことないよね」

　卯妙がそう言う。
言われてみれば、家に誰か呼ぶのは初めてかもしれない。
友達は小太郎以外に居なかったし(作る意味もないし)
小太郎と家に二人きりな状況は僕が持たないから避けていた。
…両親に何か言われるのが嫌っていうのもあるけど。

「着いたぞ、ここだ。
　あ、小太郎。そこは段差があるから気を付けて」

「手を持っておいてあげるよ、兄さん」

「ありがとう、卯妙」

　本当にこの三人はいい兄弟だと思う。
べつに一人っ子を寂しいと思ったことはないけど、こんな兄弟なら欲しいと思ってしまう。

「じゃあ作るぞー！」

「兄さんは下がってて、料理作れないでしょ」

「作れるもん！…味が変なだけで」

…もしかして、料理を作れるのは卯妙だけ？
小太郎は小さなものが見えないから出来ないだろうし…予想以上にいい状況が作れている。

「それじゃあ二人はちょっと待っていてくれ。
　卯妙、キッチンはこっちだ」

「…はい。
　それじゃあ大人しくしててね、二人とも」

　卯妙と一緒にキッチンへ行く。
日頃から作っているのか、手際がいい。
僕も料理は下手ではないけど…卯妙はそれ以上だ。
予想よりも早く料理が終わってしまった。
気付かれないようにロボットを見ると木村の足は血まみれになっていた。
布を巻いていたから、ロボット本体に血はついていない。
巻いていた布を木村にかけて学校へ戻らせる。
そこまでして操作を止める。

「それじゃあ帰りましょうか。
　うちの晩御飯はもう作ってありますから」

「そうだな」

　ふと小太郎を見ると眞弥と何か話していた。
小太郎の口の動きで分かる。…木村のことだ。
どうやら木村と仲良くなったことを話しているようだった。
…そんなに嬉しそうにしないでくれ、小太郎。