闇金くん(26) ページ27
.
「適当に座って」
「うん……」
あの後車に乗せられ連れてこられたのはマンションの一室。
見回してみても 殺風景なこの部屋にはソファも椅子もないから……
仕方なく床に正座してみた。
テヒョンを見上げる私は まるで怒られるのを待ってる飼い犬みたいで嫌だな。
「A、これから俺が言うことに全部 "はい"だけで答えて」
「なんで、」
「"はい"だよ」
「は、はい！」
「今日からここに住んで、俺がいいって言うまで一歩も外に出ないこと」
「えっ……はい」
「ヤクザの金は俺が返してくる、ジミンに借りた金もなんとかするから余計なことは一切するな」
「はい」
「分かった？」
「はいっ」
ちゃんと言う通りに答えたのに睨まれる。
「信用出来ないから、スマホ出して」
「……」
ジウやジミンの連絡先を消されるだけだと思ったから、渡したけど。
目の前でバキバキに割られて返されたスマホ。
「なんてことするの。使えなくなっちゃったじゃん」
「もう俺以外 必要ないだろ」
「……そ、それもそうだよね」
惚れた弱みっていうのかな……。
そんな風に言われたら許してしまうし、むしろ嬉しいと思った自分が怖い。
「テヒョン ずっと一緒に居てくれる？」
抱き着きながら聞いてみた。
全て無くなったとしても……
私にはテヒョンだけ居ればいい、他には何もいらないよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊
(ジミン side)
Aちゃんが消えて、一ヶ月になる。
何度か掛けたけど 電源を落としているのか、繋がらなかった電話。
マンションのガスメーターも止まったままで、ずっと家に帰ってないことが分かる。
おそらくテヒョンが何かしたんだろ。
それしか考えられない。
夜逃げの手配か、実家に帰らせたのか。
手掛かりを探し続ける僕は、
親族を装ってマンションの管理人に部屋を開けさせた。
Aちゃんの部屋は何もかもが そのままの状態だった。
机の上に散らばるメイク道具や カゴに入ってる洗濯物とか……。
夜逃げならある程度は持っていくはずだけど、これはどう考えても突然失踪した人の部屋だ。
もしかして、
Aちゃんはもうどこにもいないのかも。
僕の頭に一抹の不安がよぎる。
追い詰められたAちゃんは、全てから逃げるように この世から消えたんだ。
遺体も見つからないような場所で飛び降りたとか。
それって、
僕が殺したようなものじゃないか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1353人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kaede.0807(プロフ) - 更新楽しみに待ってますねっ！ (2019年12月13日 18時) (
レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - チョコさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*)テヒョン好きな方に読んでもらえて嬉しいです。無邪気なテテじゃなくて超塩なテテいかがですか？これからもよろしくお願いしますね(*^o^*) (2019年9月12日 22時) (レス) id: beb0d9315b (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - mozuku_2772さん» 応援ありがとうございます(*^o^*)闇金ウシジマくん好きな方に見てもらえたら嬉しいです♪♪またお立ち寄りくださいね(*^^*) (2019年9月11日 20時) (レス) id: d43a6e6af7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - テヒョン推しなのでこの作品好きすぎます！最高です！更新待ってます！頑張ってください！ (2019年9月11日 17時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
mozuku_2772(プロフ) - ほんとに共感しかないです...(；；)更新頑張ってください(=^^=)応援してます〜！ (2019年9月10日 21時) (レス) id: 8cb2522b7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかな
| 作成日時：2019年9月4日 17時
