闇金くん(3) ページ3
.
下っ端の財布事情に正直ほっとした。
100万クラスのブランデー入れられたら嫌でもアフターに行かなきゃだし。
ユナさんの面子にも関わるから無下にはできない。
アフターって客に抱かれるかもしれないんだよ……好きでも何でもないやつに。
別にそういう経験がゼロってわけじゃないけどヤクザの関係者は特に無理。
あの夜以降、下っ端は足繁く店に通って私を指名してきた。
「リアちゃん、今日はアルマンドロゼ入れるからアフター行こうな」
「無理しなくていいんですよ」
「無理じゃねえよ、今日は金持ってるから」
「それなら……」
「利息払ってもらおうか」
「えっ」
私の声に被さった言葉。
下っ端は声にならない声を出した。
二人が見上げる先には、いつの間に入ってきたのか長身の男が立ってた。
オーバーサイズの黒Tにデニムのラフな格好が大人の社交場では浮いて見える。
サラサラの金髪が揺れている。少し伸びた前髪から覗く金縁のメガネ。
その奥の瞳は怖いくらい冷たい。
「キム……今酒飲んでるんだ。後にしてくれ」
「利息の支払い今日までだけど？」
「女の前で恥かかせるのか？」
「なら、払ってから遊べ」
淡々と喋る金髪くんに下っ端がどんどんうろたえていくのが分かる。
「お、お前分かってんのか？俺んとこの親父は……」
「あーチェンさんには話通してある。お前が飛んだら(踏み倒したら)煮るなり焼くなり好きにしていいって」
「はぁ！？」
「こいつのお前の女？お前が飛んだらこいつ風呂屋に沈めて回収するけど、いいの？」
私を指す金髪くん。
「え、私？」
いきなりの飛び火に訳が分からなくなる。
私を風呂屋に沈めて回収？
えーっと、何言ってんだろう。
この騒動の全容解明に全思考を傾ける。
下っ端が金髪くんから金借りて、返さないから？
私がソー〇ランドで働いて返すって？
はあ？ありえないんですが。
バカじゃなかろうか。
「いやいやいや、ないない！！」
頭をブンブン横に振って全否定する。
「私、この人の彼女でもなんでもないですから」
「リアちゃん……冷たい」
すっかり意気消沈した下っ端はキムという男に引きずられるようにして店外に連れていかれた。
そのあとどうなったかは知らない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kaede.0807(プロフ) - 更新楽しみに待ってますねっ！ (2019年12月13日 18時) (
レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - チョコさん» 読んでいただきありがとうございます(*^^*)テヒョン好きな方に読んでもらえて嬉しいです。無邪気なテテじゃなくて超塩なテテいかがですか？これからもよろしくお願いしますね(*^o^*) (2019年9月12日 22時) (レス) id: beb0d9315b (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - mozuku_2772さん» 応援ありがとうございます(*^o^*)闇金ウシジマくん好きな方に見てもらえたら嬉しいです♪♪またお立ち寄りくださいね(*^^*) (2019年9月11日 20時) (レス) id: d43a6e6af7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - テヒョン推しなのでこの作品好きすぎます！最高です！更新待ってます！頑張ってください！ (2019年9月11日 17時) (レス) id: 58e918a46e (このIDを非表示/違反報告)
mozuku_2772(プロフ) - ほんとに共感しかないです...(；；)更新頑張ってください(=^^=)応援してます〜！ (2019年9月10日 21時) (レス) id: 8cb2522b7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかな
| 作成日時：2019年9月4日 17時
