忘れてさせてあげる ページ9
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初日の夜は大変だった。
お風呂についてこようとするグクを部屋に押し戻したり、当たり前のように一緒にベッドに入ってくるグクをソファーに寝かせたり、
一悶着あった。
確実に平穏が乱されていく感じがしてこの先不安すぎる。
私、この生活やっていけるのかな。
夜中に目が覚めた時、ソファーでぐっすり眠ってるグクのそばに行ってみた。
膝をついて顔を覗き込む。
グクってよく見たら本当に綺麗な顔してるなあ。
寝顔は完全に二次元キャラ。
フサフサの睫毛が目元で揺れてる。
アンドロイドでも夢見たりするのかなって、
少し開いてる唇に人差し指し指を押し当ててみれば、きゅっと閉じられるそこ。
可愛いなあ。
グクの寝顔に見とれる私の頭によぎったのは、なぜか"肉まん"だった。
え、"肉まん"?
*****
朝、目が覚めてグクの方を見れば、まだソファーで寝息を立ていた。
グクには早く起きて朝食を用意してくれるような機能は付いて無いらしい。
てか、グクもご飯食べたりするのかな。
起きたら聞いてみよう。
*******
(JK side)
まだ開かない目をこすって、大きなあくびをした。
パンの焼ける香ばしいにおいがした。
上半身を起こしてみるとキッチンに立つAの後ろ姿が見えた。
やばい、俺の将来のお嫁さんだ……。
キッチンまで行ってAの脇から腕を入れて、
肩に顎を乗せてバックハグした。
『あ、グク!危ないでしょ!』
「ん。A、おはよう」
『包丁持ってるのに、離れて』
「えー」
朝から軽く怒られてしまった俺。
Aは昨日から俺のこと突き放し過ぎな気がする。
あんまり冷たくされるとむきになるんだけど。
『グクはご飯食べれるの?』
「うん普通に、今はらぺこ」
『じゃあ簡単なものだけど、朝ごはん食べようか』
朝食もだけど、Aのことも食べたい。
『ジミンだったら朝食作ってくれたのかなぁ』
「は?」
頭に血が上ってく。
昨日からジミン、ジミンって……なんなんだよ。
そんなにジミンがいいのかよ。
会ったこともないくせに。
写真で選んだだけの所詮アンドロイドだろ?
Aがそんなに入れ込む理由はなに?
「なあ、A」
『どうしたの?』
「俺の前でジミンの名前出すのやめて」
『えっ、なんで』
「気分悪いから」
一歩後ずさったA。
後ろはシンクで、行き止まりだね。
「俺がジミンのこと忘れさせてあげる」
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Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですかめちゃ気になります! (2019年12月5日 23時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります。更新待ってます! (2019年11月24日 22時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - いえいえ^^*グクミンは大好きなんですよ〜 (2018年8月4日 10時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - 結花さん» 読んでいただき感謝です^ ^のちのちグクミンかきたいっす!またお立ち寄りください (2018年8月4日 9時) (レス) id: 3c26e37d97 (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - のってくれてありがとうですw更新ファイティンです! (2018年8月4日 9時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肴 | 作成日時:2018年7月26日 20時