検索窓
今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:19,814 hit

好きにして ページ5

.





ジミンに交換できないなら、どうにかして返品だけでもしないと。

こんな俺様なアンドロイド私の手に負えない。




『交換できないなら、返品するから』

「Aは俺を捨てるの?」

『捨てるなんて、返品したら他の人のとこに行くんじゃないの?』

「Aのデータ入力してあるから、返品されたら俺破棄されるんだけど」

『破棄?』

「そうだよ。俺かわいそうだ……せっかくAに会えたのに死ぬんだ」

『死ぬなんて物騒な』

「はぁ、Aは俺が死んでも平気で生きてくんだね」

『いや、それは……』

「俺の人生ってなんなんだろう」



なんなんだろうって、
逆に私の人生ってなんなんだろう。

こっちが教えて欲しいくらいだよ。

厄介なことに、このアンドロイドに説明書はないらしい。

電源オフのボタンがあればすぐにでも押して黙らせるのに。

両手で顔を覆ってしまったジョングクは
「死ぬのはいやだ」とうめきながら、泣いているように見える。




『死ぬとか簡単に言わないでよ』

「じゃあ、ここに居てもいい?」

『それは……』

「駄目?」

『ああ、もういいよ』

「それって、」

『好きにしてってこと』

「居てもいいの?」

『うん』

「やった!」



ソファーから飛び上がったジョングク。

さっきの悲壮感たっぷりの感じはなんだったんだろう。

ただの嘘泣きじゃない。



「これからよろしくね、A!」

『あ、うん、ちょっと近い』

「なんで?恋人なんだからいいじゃん」



ぐいぐい身体を寄せられてソファーの端に追い詰められた私は、そのままジョングクの腕に抱き締められた。



『ちょ、苦しい』

「俺も」

『……なんでよ』

「胸が苦しいんだよ」



おかしいでしょ。あなたに心臓はないはず。

身体がきしむほど強く抱き締められて、抜け出せない。


息苦しくなってきたころに、
ふと頭によぎるジミンの顔。

ジミンだったらどんな風に抱き締めてくれたのかな。





「僕のこと忘れちゃったの?」





頭の中に小さく響いた声は、会ったこともないけど、ジミンのような気がした。







.

恋に落ちた日→←使用後は返品不可



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
197人がお気に入り
設定タグ:BTS , バンタン , 防弾少年団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですかめちゃ気になります! (2019年12月5日 23時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります。更新待ってます! (2019年11月24日 22時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - いえいえ^^*グクミンは大好きなんですよ〜 (2018年8月4日 10時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - 結花さん» 読んでいただき感謝です^ ^のちのちグクミンかきたいっす!またお立ち寄りください (2018年8月4日 9時) (レス) id: 3c26e37d97 (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - のってくれてありがとうですw更新ファイティンです! (2018年8月4日 9時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年7月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。