使用後は返品不可 ページ4
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鼻先をゴシゴシ擦ってるアンドロイドの彼。
『嫌だった?』
「いきなり鼻つままれると思わなかったから、びっくりした」
『ごめんね、名前教えてくれる?』
「ジョングク」
『ジョングクね、私はAっていうんだけど』
「知ってる」
『さすがだね』
アンドロイドには私のデータが入力されてるんだ。
BTS社、ぬかりない。
派遣したアンドロイドは間違えてるけどね。
せっかく来てくれたのに、ジョングクにちゃんと言わないといけない。
悪いけど返品させてもらうね。
『じつはね。私、ジミンって子を選んだんだけど何かの手違いで間違えてあなたが来ちゃったみたい。これからパンシヒョクさんに連絡しようと思うんだけど、』
「俺かえりたくない」
『へっ!?』
思わず変な声が出た。
「せっかく来たのに帰るなんていやだ」
『ええっ』
つるんとした瞳で私をじっと見つめてくるジョングク。
いやいや。
帰るのいやだと言われましても、
私はジミンに一目惚れしてジミンを選んだから、ジミンじゃないと嫌っていうか、ジミンが恋人になるのを想定して心の準備もしてきたし、
あなたじゃなくてジミンがいいの!
って言いたいけど、面と向かって言えない雰囲気になっていってる……。
「Aの恋人になるのは俺じゃだめなの?」
穴があきそうなほど至近距離で見つめられて圧がすごい。
ジョングクには自分自身を売り込むプログラムでもされてるんだろうか、だとしたら悪徳商売じゃないか。
こんなの嫌だ。
イケメンならなんだっていいわけじゃない。
かと言ってきつく言えるはずもなく、言葉を選びながら話す私。
『確かにジョングクはかっこいいし、すごく魅力的に見えるよ。でも私はジミンが、』
「ジミンなんてやめて俺にしなよ」
『……っ』
いつのまにかジョングクの片手が背中に回ってる。
引き寄せられたらキスしてしまいそうな距離。
こんな俺様なアンドロイドってありなの?
何かおかしい。
変な汗が止まらなくなる。
『ちょっと、どうしたらいいか分からないんだけど』
「俺と暮らそうよ。あとAがさっき触ったから返品は出来ないよ」
『えっ、触ってないよ』
「鼻さわられた」
『あんなので返品不可になるの?』
「使用後は返品不可だし」
『し、使用後?』
「そうだよ」
そう言ってにっこり微笑むジョングクに対して、ひきつることしか出来ない私。
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Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですかめちゃ気になります! (2019年12月5日 23時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります。更新待ってます! (2019年11月24日 22時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - いえいえ^^*グクミンは大好きなんですよ〜 (2018年8月4日 10時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)
さかな(プロフ) - 結花さん» 読んでいただき感謝です^ ^のちのちグクミンかきたいっす!またお立ち寄りください (2018年8月4日 9時) (レス) id: 3c26e37d97 (このIDを非表示/違反報告)
結花(プロフ) - のってくれてありがとうですw更新ファイティンです! (2018年8月4日 9時) (レス) id: eb2a52b976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肴 | 作成日時:2018年7月26日 20時