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You side
『来てくれたんだね』
やっぱり浮気なんかしてなかったんだ、っていう安心感と自分の最悪な行動に罪悪感が湧く。
壮大は黙って私を引き寄せ、めいいっぱい抱きしめてくる。意外とバレてなさそうでちょっと安心した。
『でもなんで急に来てくれたの?』
「..なんで、か」
分かんねえかなと微かに聞こえ、なんの事か聞こうとした次の瞬間強く抱きしめられ苦しくて声が出なくなる。
試しに胸板を叩いてみたけど効果はなし、これは多分あれだ。
「なんかもう、どうでもいいや」
ああ、やっぱり。
『まって壮大、だめだよ』
「なんで俺がおかしいみたいな扱いすんの?
おかしいのは全部無視したお前なのに」
『無視って..』
ハッとしてラインを開く、するとおびただしい量の通知が目の前の彼から来ていた。呆然と立ち尽くしていたら手からスマホを奪い取られ中身を見られる。
「通知切んなってあれほど言ったのにな」
『..ごめん』
「別に謝罪求めてないんだけど」
どうしようと頭の中でぐるぐる考えてみたけどなにも良い案が浮かんでこない。だんまりな私に痺れを切らしたのか手首を引っ張られどこかへ連れていかれる。
『壮大..?』
「頼むから喋んないで」
あ、手ふるえてる。壮大は壮大でどうすればこの怒りを抑えられるか考えてくれてるのかな。
少し歩いていると小さなホテルが見えてきた。前もって予約してくれていたのかホテルに入るなりそのまま部屋に行き、扉を閉めるとまた私は抱き締められた。
また苦しい思いをするのかと身構えていたけど今度は優しく、割れ物を扱うように抱いてくれた。ちょっと安心して抱きしめ返そうとすれば、その手は振り払われ肩を掴まれ扉に押し付けられる。
「今の俺はAを殺せるよ」
淡々と告げられたその言葉。
きっとこれ以上彼に刺激を与えれば本当にそうなってしまう。
でも、今は私も我慢が出来そうにない。
『そうた』
わざとリップ音を鳴らしてキスを落とす。
すると案の定壮大の感情を昂らせてしまったようで、肩に爪を立てられ激痛が走る。
大丈夫、まだ大丈夫。
そう自分に言い聞かせ次は頬に、額に、瞼に口付ける。
だんだん壮大の手が緩み、その隙を見て首に手を回す。
そして彼の頭をこちらに引き寄せて一言。
『死のうよ、一緒に』
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鯖の味噌煮ちゃん(プロフ) - イカリマメさん» ファン⁉️⁉️⁉️びっくりすぎて言葉出ません、、😭❤️🔥嬉しいです〜〜!!😭新作早速楽しんでますありがとうございます!! (4月6日 18時) (レス) id: dc10926568 (このIDを非表示/違反報告)
イカリマメ(プロフ) - 鯖の味噌煮ちゃんさん» わああ!!ありがたいお言葉すぎます、、😿💗味噌煮さんのひっそりファンなのでめちゃくちゃ嬉しいです🤭新作も楽しんでいただければ幸いです!!! (4月6日 9時) (レス) id: b296e86340 (このIDを非表示/違反報告)
イカリマメ(プロフ) - れいさん» こちらこそ最後までお付き合いありがとうございましたー!新作も㊙︎もバリバリ書いていくので乞うご期待を!! (4月6日 9時) (レス) id: b296e86340 (このIDを非表示/違反報告)
鯖の味噌煮ちゃん(プロフ) - 最高の完結です…😭😭😭お疲れ様でした〜!!新作楽しみに待ってます!! (4月4日 17時) (レス) @page42 id: dc10926568 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - うわぁぁぁぁあ、お疲れ様でした😭新作楽しみにしてます!㊙︎のほうはまだ更新されるの嬉しいです!!!!!!! (4月4日 0時) (レス) @page42 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イカリマメ | 作成日時:2024年2月24日 1時