baby-talk【BE:FIRST】

# His thoughts ページ21

You side















『あ、今のかわいい』


「..」


『やっぱ壮大のダンス好きだなぁ』


「…」


『..ね、どうしたの？』





やっとアリーナツアーを終え、今日は久しぶりにのんびり過ごしていた。

ツアーの映像を見ながら横長のソファに二人でぎゅっと座る。

思うままに感想を述べていたら隣の彼は何故かブー垂れていた。





『疲れた？』


「んーん」


『もう寝る？』


「寝ない」




あー、はいはい。分かりました。




『本物の俺が隣に居るのにな〜？』


「…それもだけど」




え、違うんだ。大体こう拗ねる時はこれなんだけど…

眉間に皺を寄せて、壮大の顔をじーっと見詰めていたら




「Aは全然嫉妬とかしないよね」




あー…なるほど。




『ファンの子達にってこと？』


「ファンもだし、テレビで関わった人達全員」


『範囲が広すぎるよhoney…』




嫉妬しない、なんてことあるわけないじゃん

でも芸能人と付き合うってそういうことだし、

私は我慢しなきゃいけないんだよ。




『そんなの一々気にしてたらキリがないでしょ』


「俺ばっか嫉妬してるみたいでヤダ」


『いや、私最近だれにも会ってないよ？』


「はぁ…なんもわかってねえ」




そう言って壮大は寝室に行ってしまった。

やばい、地雷踏んじゃった…

まあ、こういう時は少しそっとしておくのが一番かな。


私は引き続きビーファのライブ映像を見る。

すると見覚えのある人が出てきて、




『…あ、樹音さんだ』




ほんとスタイル良いよね。

彼とはたまーにマンションの中で会うけど、

その度にモデルの凄さを見せつけられるというか。


ま、うちのhoneyがいっちばんだけどね。

心の中で可愛いあの子のことを惚気けていたら

画面いっぱいに壮大が映って、





『あー、まじですき〜…』




自分の恋人への愛情が溢れてしまい

思わず独り言が止まらなくなる。


するとバン、と乱暴に扉が開く音が聞こえ

反射的にそっちを向くとべそをかいてる壮大が。

俯いてるからどんな顔してるか分からないけど

多分ずっと泣いてたんだと思う。













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