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たかぎとツーリングに行く約束の日。
バイクをレンタルする気満々だったんだけど、
��｢伊野尾くん、今日は俺の後ろに乗ってよ｣
伊｢へっ？｣
とヘルメットを渡され、半ば強制的に2人乗りをすることになった。
珍しいな、と思いつつ、まあたまにはいっかとたかぎの腰に手を回す。
��｢しっかり捕まっててね｣
たかぎは優しい声色でそう言って、ブゥン！とバイクを発進させた。
俺に負担があまり来ないようにしてくれてるのか、とても快適で、変わる景色を堪能しながら国道を進む。
ふと、反対車線にバイクに2人乗りをしているカップルが目に留まり、思わず笑みが零れた。
･
��｢さっき、何に笑ってたの？｣
到着したのは公園なのか山なのか、よく分からないとこ。
そこに着くなり、たかぎがそう聞いてきて
なんだっけ？と一瞬考えて、すぐに思い出し、またくふっと笑ってしまう。
伊｢いや、たいしたことじゃないんだけどさ、｣
��｢うん？｣
伊｢カップルが通り過ぎたの見て、俺達も傍から見たらカップルに見えてんのかなって思ったら、なんか笑えてきちゃって｣
��｢……｣
伊｢あれ、たかぎ？…え、わっ、｣
��｢…こっち、来て｣
さっき思った事を話したら、急に真顔になって。
かと思ったら腕を引っ張って、長そうな階段へ足を進めた。
さっきから、ずっと無言……
どうしよう…もしかして、怒らせちゃった？
俺とカップルに見えてるのかも、なんて、さすがに気持ち悪い発言だった？
そんな考えが頭をぐるぐると巡って、話しかける事も出来ないまま、たかぎの背中を追いかけた。
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作者名：にゃんけんけい | 作成日時：2024年1月28日 10時
