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ym side
彼、もとい伊野尾ちゃんは思いの外頭もかなり良かった。
高校時代も秀才で、有名な某大の理工学部を難なく卒業したとか。
プライベートは付き合いが長い光くんも謎らしく、船舶免許を持ってるから漁師さんの友だちもいるし、年代が離れた友人も数多くいて、
その中に俺も懇意にしてる有名会社の社長の名が出てきた時は、さすがにびっくりした。
話をすればするほど面白い…!
気が付けば光くんそっちのけで、2人で話に花を咲かせていた。
次期経営者としても話してみたけど、受け答えがスムーズで、こんなにストレスなく話せるのは家族にもいないと思う。
こんな相手、そうそういない。
こんなこと、
30分前の俺も、きっと光くんも想像してなかっただろう
俺はすっかり伊野尾ちゃんの虜になっていた。
いままで男を好きになったことなんてなかったけど、どんな手を使ってでも彼を離したくないと思った。
幸運にも彼は失恋したばかり
付け入る隙はいくらでもある。
じわじわ確実に落とすのもいいけど、流されやすいという伊野尾ちゃんの事を別のやつにかっさわれるのだけはごめんだ
ここは多少強引に……
山「…ねぇ、伊野尾ちゃん。次の恋の相手に俺はどう?」
伊「ふぇ?やまだ?」
八「はぁ!?山田、何言ってんだ!?」
山「光くんちょっと静かにして。ね?いい案じゃない?多分俺ら相性いいよ?」
伊「んぅ…確か、に?」
本当に流されやすいんだなと心配になる反面、あともう一押しだと次の言葉を考える。
山「でしょ?誰よりも大切にするし、美味しいご飯も作ってあげれるよ」
伊「…え!?」
分かりやすいほどキラキラと目を輝かせた。
……なるほど、まずはご飯で胃袋を掴めばいいのか。
伊野尾ちゃんを俺から離れないようにするための作戦を頭で考えながら、彼の顎に手をかける。
山「ね、俺と最高の恋をしよう。世界中が嫉妬するくらい、愛してあげる」
伊「へ、んんっ〜〜〜!?」
言ったことの無いキザなセリフを囁いて、誓いの口付けを(一方的に)すると、伊野尾ちゃんは真っ赤になって目を潤わせる。
何その顔、たまんない……
今度は深いのでもしようかなと顔を近づけたら、ポカッと頭を叩かれた。
八「もう好きにしてくれていいけど、店でそれ以上盛り上がるんならお前らまとめて出禁にすっからな」
Fin
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作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2024年1月28日 10時