. ページ5
ym side
始まったのは可愛い顔からは想像できないほど、アレな話で。
光くんからいのちゃんと呼ばれるこの人は、
雰囲気や言葉に流されやすく、体を誰にでも許してしまうし、あれやこれやという間に不倫・浮気相手にされてしまうとか。
伊「今回こそは!って思ったのぉ!でも、よりにもよってあの短小野郎、妻子いやがった!!」
八「はいはい。いい加減相手見る目どうにかしろよ」
伊「それができたら苦労しねぇんだよ!!!馬鹿ひかる!!」
そして、顔から想像できないほど口が悪いのなんのって。
思わず聞き入っていたら、光くんに噛み付くいのちゃんさんが、急にこっちを向いた
瞬間顔が青ざめて、
伊「やだ!他にお客さんいたの?!うるさかったよね?ごめんなさい!」
山「あっいや、俺も盗み聞きしたみたいになって、すみません」
八「盗み聞きっつーか、いのちゃんが勝手にべらべら喋っただけだから山田が気ぃ使う必要ねぇよ」
伊「おい光、マスターだろ!お客のプライバシー守れよ!」
八「だぁから、お前が勝手に話したんだろ!」
なんて言い合いが始まり、また置いてけぼりをくらう。
…いままで、色んなタイプの女を相手にしてきたし、中には女優もいたけど
とろんとした眠そうな目に、ふっくらとした唇
栗色のマッシュルームヘアは、彼が喋る度にふわふわ動いてて
どの女よりも目を引くものがあると思った
八「あぁもう!これでも食って一旦黙れ!」
どこから出したのかガラス皿いっぱいに入ったトマトを彼の前に出すと、途端に静かになって黙々と食べ始める。
それを見てはぁーっと大きくため息をこぼした光くんは、今度は俺に目を向けた。
八「悪い、山田。こいつ、伊野尾慧っていって高校生んときの同級生。こんな顔してるけど男だし、まああとは話聞いてた通りかな。昔から流されやすくて、何かある度にここくんの」
山「へぇ……」
八「悪い奴ではないけどそろそろうざ絡みしてくっから、退散するなら今だぞ?」
山「…まだ飲みたい気分だし、大丈夫だよ」
八「山田がいいならいいけど…」
気を利かせてくれる光くんには悪いけど、初めて見るタイプにちょっと面白くなってるから、もう少し喋ってみたくて居座ることにした。
伊「ねぇねぇ、おにーさん」
いつの間にかトマトを食べきった彼は、妖艶に微笑みかけてくる。
視界の端で光くんが頭を抱えるのが見えた。
.
249人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2024年1月28日 10時