DEAR MY LOVER(ym×in) ページ4
ym side
※御曹司×無自覚びっち
八「また女の子泣かせたんだって?」
物静かなバー
隠れ家的なそこは、常連客以外の出入りがほとんどなくて、
人がいたとしても1人2人だし、今日みたいに貸切な日も多くてとても気に入っている。
すっかり仲良くなったマスターの光くんは、どこから仕入れてきたのか冒頭のセリフを口にした。
山「別に。俺の顔と肩書きにしか興味無い馬鹿な女に現実見せてやっただけだよ」
八「あーぁ。いつか背中刺されても知らねぇぞー」
作ってもらった赤色のカクテルを飲みながら言葉を返すと、ケラケラと笑いながら言ってくる。
古くから業界で名を馳せた超大手の御曹司
しかも顔も悪くない、となれば、目がギラついた女共が我こそは!と近づいてくる。なんてよくある話
幼い頃から俺に近寄って来る奴らはそんな感じだったし、そういう奴らを死ぬほど後悔させるのが、いつからか俺の楽しみになっていた。
だからって別に酷いことをしてる訳ではなく、社長夫人になりたいならこのくらい出来て当然だよね?って話をするだけ。
まあ鬼難しい話なうえ、質問されればこんな事も分からないの?って返していくうちに、音を上げて終わるんだけど。
八「いつになったら山田のお目にかかる相手が現れんのかねぇ」
山「んー、一生ないんじゃない?姉ちゃんにも妹にも子どもがいるから、俺に結婚しろしろ言ってこないし。昔とは違って、男児が継ぐ!ていう風習もないし気楽なもんだよ」
八「お前さぁ、」
ーーーーーカランコロン!
光くんが呆れた顔で何かを言おうとした時、店の扉が勢いよく開いたかと思ったら、人が勢いよく飛び混んで来た。
「うえーん、ひかるぅううう!」
八「うげっ」
「あ、何その顔ぉ!それが客に対する態度!?」
八「あーうるせぇ!客なら座れ!」
突撃してきたのは、青い色のカーディガンを身にまとい、今まで見たどの女よりも可愛い顔をした(恐らく)男性で、その人物を見るなり光くんが心底面倒くさそうな顔をした。
きゃんきゃんと子犬みたいに吠えるその人を雑に扱いながらも、俺のふたつ右に座らせ、おしぼりと青色のカクテルを出すとこを見ると余程仲がいい事が窺える。
その出されたカクテルを一気に喉に流し込み、聞いてよ!と叫ぶその人は俺の存在に気付いていないのか、赤裸々に話をしだした。
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作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2024年1月28日 10時