. ページ3
yb side
そこからは早かった。
ひとりじゃ怖い、という伊野尾は俺の家に来ることになり
上手いこと聞き込みをして、伊野尾のファンという人物を炙り出すことに成功した。
俺と光だけでそいつと話をして、二度と伊野尾に近付かないこと、これ以上何かするなら社会的に抹殺することを伝え、しばらく経ってそいつは姿を消した。
それでも、長い間苦しんだ伊野尾の心はすぐに回復する訳もなく、俺の家に居つつカウンセリングを受けている。
八「なんか、呆気なかったな。あんな奴にいのちゃんが苦しめられてたって思うとやるせねぇよ」
もっと痛い目に合わせたかった、と拳を震わせる光の目にはまだ怒気がこもっていた。
多分、今回のことで1番腹を立ててるのは光だ。
八「なんか訳わかんないことも言ってたな。俺はそうするように指示を受けたんだ!だっけ?」
薮「…あぁ。でも誰に指示受けたか聞いても答えなかったし、多分神から使命を受けた、みたいなやつかもな」
八「まじで意味不明過ぎるわ」
カリカリした光と解散し、帰路に着く。
家に帰ると伊野尾が待ってるからと、あまり好きではないトマトを片手に持って帰るのはもはや日課になりつつあった。
あんな目にあったからだろう
伊野尾は俺に依存気味になった
うちに来た当初は客室に寝てたけど、よく眠れないからと今では俺と一緒に寝ているし
帰りが遅ければ泣きそうな顔をし、早ければ嬉しそうにくっついてくる
そんな伊野尾がたまらなく愛おしくて、
滑稽だなと思う
元凶が俺だとは、微塵も気付く様子がないんだから
きっかけは単純。伊野尾が好きだから
昔は俺にしょっちゅう電話してきて、何をするにも薮、薮とひっつき回ってたくせに
いつの間にか、電話をする相手が雄也に変わり、涼介を推しと呼ぶようになり、交流関係が俺の知らない奴で埋まるようになって、
完全に俺から離れる前に何とかしなくてはと考えていたところ、伊野尾のファンだというあいつを見つけ、匿名でストーカーになるよう誘導し、証拠になりそうなものは残さないように気をつけた。
こんなに上手くいくと思わなかったが
結果、伊野尾は俺のそばにいる
マスクの下で口角が上がるのが分かる
今俺は、悪い顔をしてるだろう
あんなに恐れ嫌っていた相手が俺だとは露ほども思わず
伊野尾が俺に堕ちるまでもう少し
歪んだ愛は、
どんどん膨らんでいくんだーーー……
Fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんけんけい
| 作成日時:2024年1月28日 10時


お気に入り作者に追加


