青い猫の想いのままに(×in) (ページ13)

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ari side

『はぁ〜い』

アプリ特有の呼び出し音が2回繰り返された所で、間延びした声が向こうから返ってきた

有｢ごめんね、待ったでしょ？｣

伊『ふふっ、大丈夫だよ、お疲れ様。それよりもなんか緊張してない〜？』

有｢…仕方ないじゃん、楽しみにしてたんだから｣

緊張していることがバレないよう取り繕うけど、俺の事を知り尽くしてる彼には無意味なようで。

バレた恥ずかしさやらで、やけくそになって正直に白状する。

伊『……まあ俺もなんだけどさ』

有｢え？いのちゃん、なんて？｣

ボソッと何かを言ったいのちゃんの声は上手く聞き取れなくて、すぐに聞き返すけどなんでもない、とはぐらかされた

伊『そんな事より！明日俺早いから、日付超える前に寝ちゃうからね』

有｢え〜？そこは、朝までフィーバーだな！じゃないの？｣

伊『いつの話だよ、それ！大ちゃんとたかぎがラジオでバラしたやつじゃん』

そこからは、今日の出来事から懐かしい話まで、時系列ごちゃこちゃになりながら話をした。

たまに思い出したように、あの時さぁ！と怒られそうになるけど、すっとぼけて話題を無理矢理変えたり、

まだ付き合う前のすれ違ってた時の話も出て、普段面と向かってはなかなか話せない事も電話越しならすんなりと言葉にできた。

日付けはとうに超えてるけど、隣にいのちゃんを感じて、あと少しだけ声を聞いていたいから見て見ぬふりをする。

少しづつ、会話が途切れ途切れになってきて、いのちゃんの声もあくびが混じった眠そうな声に変わった。

耳が幸せってこういう事をいうのかな、なんて

気付いてないバカなふりをして会話を続ける

伊『…もうこんな時間だね』

有｢……そうだね｣

名残惜しいけど、これ以上はいのちゃんもきついかな

仕事に支障をきたしたら、それこそメンバーに怒られちゃうし

ふあぁ……

何度目かのあくびが聞こえて、

眠い目を擦るいのちゃんの顔が浮かんでくる

話の続きは、また明日

帰ってから直接話そう

少し無言でいたら、電話の向こうから規則正しい寝息が聞こえてきた。

あぁ、無理させちゃったかな、なんて思うけど

きっとまた泊まりロケがあったら同じことをやっちゃうであろう俺を許してね

有｢…おやすみ、いのちゃん。愛してるよ｣

ーーーfin