． ページ2
in side
不幸中の幸いか、写真を送り付けてくる以外は特に何もなかった。
変な要求があるんじゃないか、とか
メンバーにも同じような目にあってる奴がいるんじゃないか、とか
ほかにも心配してるようなことは一切なく、問題なく仕事をこなす毎日を送っていた。
気味は悪いし恐怖もあるけど、いつか終わる、と根拠もないのに信じて。
有｢いのちゃん、痩せた？｣
伊｢ふぁ？あー、ちょっと減量中〜｣
さすがに5kg体重が落ちたら、大ちゃんとか、他のメンバーにも痩せたことを指摘されたけど、特段追求されることは無くて
大丈夫、上手くやれてる。
そう思っていた。
八｢いのちゃん、ちょっとここ座って｣
雑誌の撮影終わり楽屋に戻ると、珍しく次の仕事が無いのか、メンバー全員が固まって話をしていた。
俺が来るなり一瞬し…んと静まって、光が自分と薮との間に座るように言ってくる。
俺はなんだ？と思いながら、大人しく指示に従った。
山｢伊野尾ちゃん、最近何かあった？例えば……
ストーカー、とか｣
均衡を破ったのは山田だった。
伊｢…えぇ？なんのこと？｣
��｢伊野尾くん、ずっと何かに怯えてるみたいな…ずっと周りを警戒してるよね｣
伊｢そんな事、｣
中｢急に話しかけられる時一瞬強ばること、いのちゃん気付いてないでしょ？｣
知｢メンバーだって分かったら、安心した顔するんだよ｣
伊｢…気のせいじゃない？俺、ちょっと用事が｢伊野尾｣…薮｣
すっとぼけて逃げようとする俺を諌めるように、隣の薮が腕を掴んでその場に留めさせる。
薮｢俺、見たんだよ。たまたま、お前の家の前通りかかった時、お前の郵便受けに分厚い何かを入れる奴。顔はよく見えなかったけど、見覚えのある背格好だった。｣
伊｢…っ！｣
自身の肩が大きく揺れたのが分かり、しまった、と思った。
まさかそこまで知られてるなんて、予想もしてなかったんだ。
薮｢……ひとりで抱え込むなよ。俺らは友だちで家族みたいなもんだろ｣
薮の言葉にうんうんと頷くメンバー
ふと、俺の肩を光が抱き寄せる。
そこで気づいた。自分が泣いてるって事。
大丈夫、なんて自分を騙すために必死で取り繕ってただけだった。
伊｢……たす、けて｣
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 249人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃんけんけい | 作成日時：2024年1月28日 10時
