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薮「あ、やっぱり涼介じゃん。突っ立ってどうした?」
その人しか視界に入ってこなくなっていた俺は、肩に置かれた手で現実に引き戻された
山「あ、いえ、えっと…」
『あー!やっときた!やぶぅ遅い!!』
山「え、?」
薮「うぐっ…」
駆け寄ってきたのはさっき見蕩れたその人で、
そんな人が薮先輩に突進してきて、おもいきり抱きしめてきたのか先輩が呻き声をあげた
目の前で、薮先輩に一方的に抱きつくその人
隣を通り過ぎた時に感じた違和感
身長…結構高い?
170前後かな
いやそれよりも…ズボン?
もしかして、この人って………!?
知「涼介おつかれ。いのちゃんと仲良くなったからもう少し遅くても良かったのに」
岡「もうちぃちゃん…やまちゃんお疲れ様」
中「知念ってばすっかり伊野尾先輩の虜だよね。あ、山ちゃんおつかれー!」
山「お、おおサンキュ…え、てかイノオ先輩って…」
3人に事実を確認する前に、我慢の限界が来た薮先輩の叫び声が響いた
薮「だぁあ!!いい加減離れろ!男に抱き着かれて喜ぶ趣味はねぇんだよ!」
『ははっ!俺に抱き着かれて嫌がるのやぶぅくらいじゃない?新鮮、楽しいー!』
薮先輩、男って言った……?
しかもイノオ先輩、一人称『俺』って……
薮「面白がってんじゃねぇよ、とりあえず離れろ!後輩も見てんだよ!」
『ほえ?』
山「っ!」
薮先輩の一言で、俺に視線を向けるイノオ先輩
近くで見ると、より一層儚げで…
あぁやっぱりきれ
『あ、さっき目ぇ合ったよね?やぶぅの後輩ってことはサッカー部かぁ!初めまして伊野尾慧です!よく女と間違われるけどお前と同じもんついてるから誤解なきよーに♡』
山「は、はは、山田涼介です…」
『へぇー見た目の割に普通の名前。山田、ね。これからよろしく〜!』
見た目からは想像も出来ない口の悪さに、飛び出る下ネタ
よく言われる『案外普通の名前だね』に若干傷付きながら、精一杯笑って返す
恐らく今俺は、引き笑いだろう
差し出された手を取るのに躊躇ってたら、焦れったいというように手を引っ張られ強引な握手を交わす
女性の様な綺麗で長い指
だけど女性の柔らかさなど微塵も感じない少し骨ばった感触
どう考えても男の手じゃない、のに
ドキドキ、と鼓動が脈打つのはなんでだろう?
これから色々な事が変わる、
そんな予感に胸が踊るのはなんでだろう?
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作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2019年4月18日 10時