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薮「伊野尾には俺らから説明しとくから、お前らは先帰っときな」
辛うじて涙を耐えて自己紹介をしたあと、薮ちゃんが耳寄せてきた言葉に甘える事にして病室から退室する事にした
伊野尾ちゃんは不思議そうな顔で、最後まで俺達を観察してたなぁ…
聡い伊野尾ちゃんの事だから、色々とおかしいと思って薮ちゃんの話をちゃんと聞きそう
山「おわっ、と」
中「山ちゃん!?」
病院を出るなり力が抜けたみたいに、膝がガクンと折れた
間一髪で、ゆーてぃに腕を掴まれる
気、張ってたからな……
とりあえず落ち着ける場所に、という事になって近くのカフェに入った
4人がけのテーブルに案内されて、そこで各々飲み物を頼む
知「覚悟はしてたけど…辛いね」
岡「うん、…ちぃちゃん、もう泣いてもいいんだよ…?」
知「……ううん、泣かない。泣いても現状は変わんないもん、前を向かなきゃ」
中「知念……」
強えな、知念は
多分、俺達の中で1番大人かも
知念のそういう所、見習わなきゃ……
知「…涼介を見習おうって思ったよ」
山「…、え?」
俺が知念に思った事を、知念が俺の名を出して言うもんだから一瞬理解するのに遅れた
岡「俺も思ったよ」
中「うん、俺も」
ゆーてぃと圭人も便乗してきて、何が何だか分からずあたふたしていると知念が何かを思い出したかのように笑う
知「涼介ってさ、いのちゃんと出逢って変わったよねー」
中「あ、知念もそう思った!?」
山「え、えぇ!?」
知「なんて言うのかな、前よりか大人っぽくなったよね。あ、見た目じゃなくて中身の話しだよ?ちょっといのちゃんぽくなってる感じ」
山「…っ、それ、本当……?」
僕が嘘つくとでも?って返されて、今までちょくちょく騙されてます…とは言わずに『ううん』と返す
伊野尾ちゃん、俺、伊野尾ちゃんみたいになりたいって思ってた
なれてる、のかな?
……っ、そうだったらいいな…………!
自分じゃ分からない自分の変化、
でも変われたのは、紛れも無く伊野尾ちゃんっていう存在があったから
苦しくって辛くて、悩んで、悩みまくって
俺にとって伊野尾ちゃんは必要不可欠な人なんだ
だったら次は、逆になれるように頑張りたい
時間がかかってもいい、忘れてしまわれてもいい
俺、
伊野尾ちゃんの特別になりたいーーー……
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作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2019年4月18日 10時