18 ページ20
・
『……という訳なの。今まで黙ってて、ごめんなさい』
知念達に言うなら早いうちがいい、という事になり、翌日の昼食後に伊野尾ちゃんが打ち明けた
知「…冗談じゃ、ないの…?ほんとう、なの?…もう少ししたら、僕達のこと忘れちゃうの……っ?!」
『…うん』
知「〜〜〜っ!!」
深々と頭を下げる伊野尾ちゃんと、薮ちゃん達の雰囲気で全てを理解した知念の目に水の膜が張る
岡「そん、なぁ…っ」
中「……いのちゃんっ」
ゆーてぃと圭人も涙目になって、伊野尾ちゃんに駆け寄った
『……ごめんね。本当に、ごめん…っ』
伊野尾ちゃんも泣きそうになりながらも、必死で堪えているのが見て取れる
知念が勢いよく伊野尾ちゃんに縋りついて、嗚咽を零しながら泣き出した
16年間一緒に居て、こんなに泣く知念を見たのは初めての事でフォローの仕方がわからず、俺は傍観者のようにその様子を眺めるだけしか出来ない
知念の背中を叩いて宥めている伊野尾ちゃんが、苦しそうに顔を歪めて、小さく口を開く
『…こんな泣かせちゃうくらいなら、俺………』
知「馬鹿なこと言わないで…っ!!」
伊野尾ちゃんが言葉を続けようとした瞬間、泣きじゃくってた知念の怒号が響いた
知「『仲良くならなきゃよかった』なんて考えてるんだとしたら、たとえいのちゃんでも…僕一生許さないからね……っ!」
『……っ、ごめ、』
知「確かに悲しいし、辛いよ…っ、でも、いのちゃんのことが大好きなのには変わりないの…だから仲良くなって後悔なんて、微塵もしてない…!」
中「俺達だって同じだから!」
岡「うん…!俺、いのちゃんと仲良くなれて本当に嬉しいよ…っ」
『…ちねん、裕翔と圭人も…ありがと……っ』
伊野尾ちゃんの顔を両手で掴まえて、目を逸らせない様に声を張る知念に圧倒されると同時に少し羨ましくなった
俺は、そんな気が利いたことを言えなかったな。って
純粋に伊野尾ちゃんを思ってる知念達が、眩しくて目が霞む
八「……なあ山田、後で話せねぇ?」
山「…うん、いいよ」
光くんがコソッと耳打ちして来た誘いに、二つ返事で返す
前にもこんな事あったな
あの時は『知念が伊野尾ちゃんのことをそういう意味で好きなのか』って聞かれたっけ
なんであんな事を聞いてきたのか、今になってやっと分かった
好きになってしまったら、忘れられた時、余計辛いからだーーー……
・
・
389人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2019年4月18日 10時