9 ページ11
・
結局昼休みが終わるギリギリまで知念と大ちゃんの攻防戦は続き、延長線に持ち越しになったらしい
知「もー!大貴のせいでいのちゃん独り占めできなかった!!…なに、涼介。何か言いたげだけど」
山「イヤ、ナニモナイデス」
ちゃっかり伊野尾ちゃんの膝に座ってたじゃん
と思ったけど、何か買わされること間違いなしだから黙秘を貫く
伊野尾ちゃんのことで一喜一憂する知念に、ふと光くんが言ったことが頭に過ぎった
(そういう意味で、好き)
山「…なぁ、知念」
知「んー?今僕忙しいんだけど」
と言いながら携帯を弄っているから悪いと思いつつ覗いてみると、伊野尾ちゃんとやり取り中みたいで…
何ともタイムリーな……
山「…知念って、さぁ」
知「なに?はっきり言ってくんない?」
山「……伊野尾ちゃんの事、そういう意味で好きなの?」
知「………はぁ?」
俺の言葉に固まった知念が、ゆっくりと顔を上げながらかなり呆れた声を出す
本当もう、こいつ何言ってんだ?って感じの『はぁ?』
想像と違う反応に、聞いた俺が戸惑ってしまいそうになる
知「涼介、安直過ぎ。確かにいのちゃんのこと大好きだけど、僕の感情は恋愛というよりかは尊敬に近いよ。んー、なんて言えばいいかなぁ…あ、お姉ちゃんに向ける様な感情っていえば分かる?」
伊野尾ちゃんはお姉ちゃんじゃないだろ
というツッコミはさておき、その説明は的確で分かりやすかった
現に姉ちゃんがいるから想像もしやすいのかもしれない
なんだ、そっか……
よかった、知念が伊野尾ちゃんを好きじゃなくって
ん?『よかった』?
なんで?
知「まあそーゆーわけだから。安心してよ涼介」
山「……は?なんで俺が安心すんの?」
知「え?まさか涼介…無自覚なの?」
山「だから何がだよ!…あ」
釈然としないやり取りについイラッとしてしまい声量が上がってしまった
俺の声に一瞬ビクついた知念が、真っ直ぐに俺を見据える
俺が悪いという後ろめたさからか、知念の目は見ずに視線を落とした
知「…涼介、もうとっくに答え出てるでしょ。僕が口出すのはここまで。後は自分で考えて」
そう言って立ち去ろうとする知念の手をとっさに掴む
山「…怒鳴って、ごめん」
知「…焼肉で許してあげる」
ニヤッとした笑顔を見せた知念に
『豚肉が美味しいとこ探しとくね』
と俺も笑って返した
・
389人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんけんけい | 作成日時:2019年4月18日 10時