青い猫の気の向くままに(×in)

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少女漫画でよくある、家が隣の幼なじみ。

同級生ということもあり、物心着いた頃から薮と光と一緒だった。



それが今日突然、朝迎えに来てくれなかった

学校に行って2人と顔を合わせて、ただのイタズラだと思ってちょっかいだそうとしたら、


薮『慧、俺ら彼女できたから。行きも帰りも、彼女と帰る』

八『あとお昼も彼女と食べるから、別の人と食べてね』


声が何も出なかった。


私が知る限り、2人にとって初めての彼女

祝福するべきなんだろうけど、ちっとも祝う気になれなかった。


私が他に友達いないの知ってるくせに、別の人となんていうの？

彼女が出来ても優先してくれるって、確証もないのに自信があったのに。


2人の後ろ姿が、初めて嫌だと思った。



教室に入るとクラスでリーダー的な子と別のクラスの女の子が私を見てきた。

2人とも学年で可愛いと言われてる子達、としか認識がなかったんだけど、

私を見た途端


『昨日宏太としたんだけど凄かった。全然やめてくれなくて…かっこよかった』

『光くんも凄かったわ。可愛い顔に似合わず意地悪なの』


そう大声で、遠くにいる私に向かって言ってきた。

その2人の首元にはわかりやすく、赤い印がついていて、何の話かなんて嫌でも分かった。



どんどん女子2人のお喋りはエスカレートして、我慢できなかった。



人生で初めて学校をサボって、両親とも働きに出てるから誰もいない家に無言で駆け込む。



知らなかった、なんにも知らなかった。

2人のタイプも、彼女の事も。


してる時のことなんて、以ての外だった。

光が意地悪？あいつはとんでもなく優しいよ
薮だって、本当に嫌がることなんてしない。優しい顔でふにゃって笑うんだ。


なんにも考えたくなくて、ベッドに潜り込む。



私を拒絶するような2人なんて知りたくなかった。



・



ーーー…ﾎﾟｰﾝ


伊｢…ん？｣



なにかの音がして、目が覚める。

知らないうちに泣きながら眠ってしまったみたいで、瞼は重いし頭がガンガンした。


ボーッとする頭で、今の状態が夢ではないことを教えてくる。



伊｢ゆめじゃ、ない…か｣


また泣きそうになっていると、


ーーーﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


家の呼び鈴がなった。


あ、さっきのってもしかしてこの音？


だったら急がなきゃ
こんな顔だけど…配達員に見られようがどうでもいいや。



いつも外を確認して開けてるけど、何もかもがどうでもよくなって、扉を開けた。


伊｢…な、…んで｣

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