青い猫の仰せのままに(×in)

大切な宝物たちの(ym×in) ページ36

ym side
※リアル設定
ライブネタバレあります。
YOU&Iより。


最近増えてきた、俺と伊野尾ちゃんの歌割り。

前はたまにだったけど、伊野尾ちゃん主演のドラマから確実に多くなっている。


ファンの子から『顔面偏差値高すぎて画面割れる』なんて言って貰えてるらしくて、悪い気なんてするわけない。




今回のライブで披露する曲にも、伊野尾ちゃんと歌う曲はいっぱいある。


その中でも気に入ってるのが『YOU&I』


なんでかって？

そりゃあ、堂々と伊野尾ちゃんとイチャつけるからだよ。





俺たちのパートが近づくのと同時に、伊野尾ちゃんと俺の距離も近づく。


初披露した時は伊野尾ちゃんを引き寄せて、俺の肩に頭を乗せて撫でたっけな。



んー今日は何をしようか？



考えてる間に伊野尾ちゃんが隣に並ぶ。


『なにするの？』

って目で見てくるから可愛くて仕方なくなっちゃう。



雄也みたいにキスのフリでもしてみる？


いや、それは俺の心臓が持たねえわ。



あっ、そうだ…



マイクを口元に持っていき、歌詞を歌い出す。


それと同時に手を伊野尾ちゃんのほっぺたに添えた。


『大切な宝物たちの〜』


そう歌ってる間、俺の手は伊野尾ちゃんの柔らかい頬を軽くペちペちと叩き続ける。


伊野尾ちゃんは目をクシャってして楽しそうに笑った。


笑ってるけど意味わかってないんだろうなぁ。






ライブのアンコールも無事終わり、重たくなったライブTシャツを脱いで汗を流すためにシャワールームへ向かう。


目の前にフラフラしてる伊野尾ちゃんを発見して、疲れ果ててる足で駆け寄った。


ym｢伊野尾ちゃん｣

in｢ふぁ？あ、やまちゃんじゃん〜！｣


今からシャワーでしょ、一緒に行こーよ


伊野尾ちゃんのほっそい手を掴んで、引っ張って歩く。


後ろから伊野尾ちゃんが何か言ってるけど、そんなのお構い無し。



in｢そんな掴まなくても俺逃げないよ｣

ym｢…どーだか。あ、そういやさ今日のYOU&I…｣

in｢あ！俺のほっぺた軽く叩いたやつでしょ？いつも肩組んでくるからびっくりしたんだけど！｣


…ほらね、やっぱり伝わってない。
びっくりしたとか言ってる割に、そう見えないし。


in｢…っわ！｣

ym｢あれはね…｣


わざと顔を近づけて耳元で伝えると、切ってから丸見えの右耳が真っ赤に染まった。


in｢っっばか！｣


照れ隠しの暴言なんて可愛いだけ。




『俺にとっての宝物は伊野尾ちゃんって意味だよ』



ーーーfin.

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