ぼっち・ざ・えごいすと！【ブルーロック】

◇ ページ10

・


皆呆気に取られていたけど、1番ビビったのは俺自身だった。コントロールなんて皆無な俺のボールは勿論明後日の方向へとんだ。つまり・・無意識の不意打ち。


「あ・・すみません、コントロール皆無なんです。反省として埋まってきます」

誰か、穴ない！？ダンボールでもゴミ箱でももうなんでもいいから人が1人入れ
る空間をください・・。


とは言え、ボールを当てられた人達は死に物狂いで追いかけてくるわけで、これがもう恐怖。心の中は涙の嵐でそろそろ限界。皆目がグルッグルなんだけど何なの、全員揃ってグルなの！？俺だけ仲間はずれ、はいそーですか！


「あ、あと10秒だ・・はぁぁぁ」


これで俺の勝ちは確定だ。・・ん？勝ちってことは暫くこの怖い人たちと一緒に生活するってことでその怖い人の中には下まつげさんもいる訳で。

え、怖い。


「・・あがっ」
後ろからボールが飛んできた頭に直撃する。絶対この後黒歴史になる・・。その時、目に飛び込んできたモニターの数字は。

あと3秒。

「応援してくれてる母さんにも、父さんにも、叔父さんにも、失礼だ」


なるべく少ないモーションで一点ミートに集中して、足の捻りと柔らかさを最大限に利用して。背面向きに。

「あ・・ごめんなさい。俺、今日殺される、絶対殺される。もうヤダ、俺は人間の影として鬱々と生きていこう・・」


こうして俺は無事、ではないが生き残った。
出過ぎた杭は打たれる・・こんなド陰キャなんて出過ぎた杭も同然ですよね。早めに打たれる予定なんで、はい。

打ちたいなら打ってください。

「・・・なんだアイツ」

ゾクッとした感覚が背筋を駆け抜ける。誰が発したのかもわからないけど一つだけ分かったことがある。

俺は確実に出過ぎた杭らしい。全員がハンマーを持ち上げて今にも打ってきそう。
誰か家への帰り方を教えて！

殺されるくらいなら笑われてもいいから！
安全確保のために家に帰らせて・・。

◇→←◇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す