検索窓
今日:15 hit、昨日:65 hit、合計:62,849 hit

ページ37



相手が蹴ったボールがゴールの縁にあたる様子がスローモーションのように見える。回転起動さえも見えるんじゃないか、というくらい。

周りの動きが鈍く見える視界の中で俺だけが正常に動けているんじゃないか、と思ってしまう。

「止めろ、カットしろ!」

味方の声がぼんやりと聞こえる。そんなことしなくていいよ、俺が押し込むから。



縁にあたって跳ね返ったボールは予想通り下まつげさんのほうへ飛んでいくだろう。その証拠に、下まつげさんは落下地点を予測して入り込んでいる。

否、落下地点よりも少し離れている。

この後に、相手の人間が割り込んでくると思ったのかな。それで少しボールの軌道と済州島着地点が変化する。そして、多分それは正しい。



「Ich konnte dich nicht essen. Aber ich hade gewonnen.」

俺の負けだ。俺は君を喰えなかった。でも、この行動は君も読めなかったでしょ?

跳ね返ったボールが最高地点に到達した瞬間飛んだ。誰も知らない、俺の跳躍力。味方でさえ知らない俺のささやかすぎる特技。

空中でトラップもせず、そのままダイレクトに叩き込んだ。叔父さんの動画を見て見様見真似で身に着けた技術。




最早聞きなれてしまった高音が聞こえる。そして、その後に聞こえてくる試合終了の合図。

いつもならここでビビりまくって、味方に謝りまくっているところだけど、今日は高揚感にあふれていた。

あの下まつげさんに勝った。一瞬だけだったけど、下まつげさんの予測を裏切った。どうしても思考を支配することなんて出来なかったけど、それでも一瞬の思考を上回ることはできた。

「後藤!お前すげーよ!!」

「あ、あああああありがとうございます・・。あぁ、恥ずかしい・・」

試合中に調子乗ってドイツ語使ってしまった。どうしよう、俺ただのイキったガキじゃん。イキリ野郎じゃん。あ、ごみ箱・・俺のマンゴー・・。黒歴史が・・。

「・・元に戻ったな、後藤」

『試合結果』
チームV vs チームX
6-2。

チームV、一次選抜全勝通過決定。

◇→←◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (221 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
304人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック , 糸師凛 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

魔孤蠧マコト(プロフ) - 『ぼっち・ざ・ろっく!』知らないけど…何となく内容わかった笑笑 終始吹きました笑 更新待ってます!頑張ってください! (4月13日 18時) (レス) @page3 id: 96bbb29a63 (このIDを非表示/違反報告)
東雲 - びびり主くん好きすぎます!そしてノア様の甥っ子という強すぎる遺伝子・・。更新無理せずに頑張ってください。待ってます・・! (9月17日 21時) (レス) id: 6caf3948ad (このIDを非表示/違反報告)
にれ(プロフ) - 太宰無音さん» 死なないでくださいね!?誰かー救急車呼んでー!!何番だっけ、110?コメありがとうございます! (8月1日 15時) (レス) id: f500b808b7 (このIDを非表示/違反報告)
にれ(プロフ) - しずさん» 神作品なんてほんとにありがとうございます!最近更新出来てませんでした、ごめんなさい! (8月1日 15時) (レス) id: f500b808b7 (このIDを非表示/違反報告)
太宰無音 - んんんんッ、。。死にそう (7月21日 19時) (レス) @page40 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にれ | 作者ホームページ:https://twitter.com/mxa_1031  
作成日時:2023年5月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。