ぼっち・ざ・えごいすと！【ブルーロック】

◇ ページ15

・


「あはは・・俺最下位か。ぼっちワールドが見える・・」

部屋の隅でランキングの数字を眺める。今まで家族以外と話してこなかった俺が毎日誰かとコミュニケーション取らないといけない。その事実に今更気づいた。

名前すら知らない人と同じ空間で寝て、走って・・。

周りの人間は完全に名前を把握している。そんななか名前すら憶えていない俺は輪の外にはじき出されて当然。


「な、なぁ！なぁって。聞いてる？」

「へっ・・す、すみません。聞いてます・・ただ人と話そうと思うとちょっと情緒が・・。あ、そんなに近寄らないでください。陽キャオーラが陰キャには辛くて・・」


只今、数時間後にある試合の作戦会議と言うかポジション決めの最中。皆フォワードらしくてなかなか決まらない。そりゃあそうだ。上位二チームに入れなかった場合、得点王以外は切り捨てられるんだから。

そして俺は切り捨てられる側の人間・・。
ははは・・。


お花畑でサッカーしてるのがお似合いだって烙印を押されるんだ。皆に逃げたんだって思われて蔑まれて一生ぼっちなんだ。・・それは嫌だ！！自分で妄想しておいてなんだけどそれは嫌だ。

人の目が怖い、俺絶対めんどくさい奴だよね、絶対鬱陶しいって思われてるよね。

人の目が見れない・・。

「あ、あのさ！もしよかったらなんだけど・・GK頼めないかな！？」

「え・・？」

GK。つまり戦力外・・。そうですよね、ただのスタミナがあるだけの能無しですもんね。そりゃあ厄介払いしたいですよね。

その目やめて。
母さんと同じ目やめて。
キラキラの目で見ないで。
君の顔見てないけど圧で分かる。

期待が怖い・・。
ウッウッ・・。

「分かりました、GKやります・・」

やはり断れないのがコミュ障 & 陰キャの宿命・・。
世知辛い世の中だ・・。

「おい、タコ。ぬりぃっつったよな？あ゛？」

「ひっ・・ぬるくてぼんくらで馬鹿で阿呆でどうしようもない陰キャですみません・・」

断れなかっただけで殺されるなんて世知辛いどころじゃない・・。


辛すぎるよこの世の中！！

◇→←◇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す