エリカの花束

No.7 ページ7

「みなさん！！」


焦った様子で飛び込んできたマネージャーは挨拶することすら忘れたまま、興奮した様子で言葉を続けた。


「〜〜に出演が決定しました！」


それはずっと俺たちが出たいと話していた番組。

目標にしていたそれに出れるということがわかり、楽屋には喜びの声が上がった。

「え、マジですか」
「すごい」
「やったぁ！」


俺たちが出たいと言っていた番組に出ることができる。

うれしくて、本当にうれしくて仕方がない。


……でも。

でもなんで今？

何でこのタイミング？

考えたくもない予想が俺の中に浮かぶ。


いや、そんなことはないと頭を振って否定していると、マネージャーがさらに説明を進めた。


「誰かがSnowManを推薦してくださったらしく、今回出演が決まったとのことです」


え？ 推薦？

その時「次も君が来てくれるように僕からプレゼントを上げるね」と笑ったあの男の声を思い出した。

まさか。

いや、そうに違いない。絶対にそうだ。

あいつは俺を、俺たちを逃がさないためにSnowManをこの番組に推薦したんだ。

俺は…

あいつには、あの男にはもう、逆らえない。

SnowManがこれから先みんなの前に出続けるためにはあの暴力に耐えるしかないんだ。


ヴヴ、とポケットに入れてあったままのスマホが震え、メールを知らせる。


「ぁ…」


今日の夜、〇〇で待ってるね。


そう書かれたメールの文面が短い中でも恐ろしすぎて、

強く手を握りしめた。

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