検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,392 hit

3話 ページ5











正人から手紙を受け取る。


「折角のお仕事なのに、嬉しくなさそうだな」

「赤は、良い仕事じゃないからね」


仕事依頼書には、いくつか意味がある。
これは江戸の忍びで共通されてることだけど。

今回来た「赤色の手紙」は、相手の情報を集めてから、本人を殺す方法の依頼。




・・・一番、最悪の方法だ。








「大変だなぁー。椿ちゃん」

「………黙ってさっさと帰って」



呑気にお茶を啜る正人に腹が立つ。

今忍びが消えてるのは、抜け忍への処罰がほとんどなくなったからだけど。

だからこんな正人みたいなフラフラした奴が出てくるんだ。
この野郎!


「ま、俺もそんな暇じゃないよ」


そういいながら正人は長椅子から立ち上がり、手をヒラヒラさせて出て行った。


「おま、お金……」


いいかけた所でハッとする。
正人が腰掛けて居た長椅子の上。

そこには空になった湯呑みとお金が置かれていた。
当の本人は、店の前から消えていた。



「・・・だからあいつが嫌いなんだよ」


誰も居ない中、呟く。

返事なんて期待してない。
ただ、ふらっと帰ってきて次いつ帰るかも告げないアイツに本当にイライラするだけだ。

ま、いつまでもイライラしてても意味ない。


「私は私のやるべきことをするのみ、だな」



湯呑みを片付け、やるべきことが書かれたものを開ける。

ペリッと音がして楼が外れる。


赤い封筒の中には、綺麗にたたまれた白い紙が入っていた。
さらにそれを開くと。






『我、赤なり。


標的は白、又は銀。
情報を集め次第、標的を生け捕りにせよ



善い知らせを待っている』









そう、筆で書かれていた。


赤なり・・・。
標的は白、又は銀・・・。

潜入捜査の上、本人や周りをを殺さず、生け捕りの命・・・。



今まで見たこと無い、可笑しな依頼だが。




「やることはきっちりやらねば」



明日も明後日も生き残る為。
私はずっと、手を汚して生きていくしか無いのだ。









4話→←2話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:まいくろ , オリジナル小説 , ファンタジー , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いかせん - 闇さんさん» お〜!やっほ〜!(*´▽`*) (2016年12月22日 6時) (レス) id: b197e68d7d (このIDを非表示/違反報告)
闇さん(プロフ) - 続き続き!…あ、やっほ〜! (2016年12月21日 20時) (レス) id: 82d2343db1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まいくろ | 作成日時:2016年12月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。