5’杏ジャム ページ5
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あー、ヤバい。自覚し始めたら悪化する謎の現象
「A〜!ポアロ行くわよ!!」
背後からガッシリホールド構してくる園子ちゃんに前方へ傾きかけた体を立て直す
目の前からは苦笑いの蘭ちゃんと世良ちゃんがやって来た
「も〜また園子は...」
がやがやし始める周りを他所に、世良ちゃんが私をジッと目を細めながら見つめる
「A、今日いつもと違くないか?」
ドキリと音を立てる脈
翡翠色の瞳が言えと言わんばかりに鋭く光る
何々?と二人も私の顔を覗き込んできた
『あー!ほら、ポアロ行くんでしょ!早く皆で行こ!!』
強引に話を切り替えるとそれ以上は口を挟まれなかった
咄嗟の判断で逃げに徹したが、悟られない為の努力が果たして出来るのだろうかと不安になりながらポアロへ向かった
*
扉を押して軽快なベルが響くと開口一番に梓さんが接客をしてくれた
「あれ、コナン君じゃない。本読みに来てたの?」
ボックス席に向かう途中で見知った顔を蘭ちゃんが発見
当の本人コナン君は分厚そうな本から顔を上げ、私達の姿を捉えると子供らしい笑顔を向けた
「ここ、誰か来る予定かい?」
「ううん。一人で本読んでただけだから座っていいよ」
お気に入りだと言うシャーロックホームズの本を閉じ、端に詰め寄る
その隣に蘭ちゃんで園子ちゃん。向かい合わせに世良ちゃん、私の順で奥から腰掛けた
各々注文を決め待つ間、盛り上がる話に相槌を打つ
その時ストローから口を離したコナン君
「僕さ、実は気になってる事があるんだ」
そして一言
「Aねーちゃん、熱あるでしょ」
小さく見開く瞳、図星をつかれた
「やっぱりそうか。僕がこの話言おうとすると妙に避けてるとは思ってたけど」
涼しい顔でカップを持ち上げた世良ちゃんにもお見通しだったらしい。私の努力は一体何だったんだ
熱があると知って騒ぎ始める園子ちゃんと蘭ちゃんを宥める
『私は大丈夫__』
「微熱ですね、これから熱が上がる前に帰った方がいいかもしれませんね」
固まる一同
聞こえる大好きな声
背後から伸びた手が私のおでこに触れる
『あ、安室さん...?』
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時