好きです。だから。さようなら。2【降谷零】

28’柿のクラフティ ページ28

萩原side




夜と呼ぶにはまだ明るい


そんな時間帯から居酒屋で酒を煽った


「あんまり飲み過ぎるなよ」

「いいじゃん。ハンドルキーパー伊達がいるんだし」

「その俺は酒が一滴も飲めないんだがなぁ」


ハンドルキーパー伊達って芸名みたいだな。ウケる


「にしても何で野郎二人で酒なんて」

「萩原が先に誘って来たんだろ。それに俺は飲んでない」


爪楊枝をくわえたまま肩を竦める伊達


「そういえばさぁ、俺ら五人って団体行動出来ない系警察だったよな」

「なんだそりゃ」


警察学校時代を思い出し、しみじみと語る


「松田は気付いたら靴かサングラス見に行ってるし、景光は迷子と迷子センター

伊達は休憩ベンチいつの間にか占領してるし降谷は食品売り場に直行。で、俺は女の子にナンパされて」

「自分でナンパされたとか言うなよ」


呆れた様に笑う大男に同じく笑う


「そんでもって降谷に妹いる事が発覚して」


串カツを豪快な食べっぷりの伊達から視線を外した


「...なぁ。酔った勢いだと思って聴いてくんない？」

「仕方ねぇな言ってみろ」


流石伊達は兄貴性分

きっと今から俺が言う言葉も上手く流してくれるだろう



「Aちゃんと景光って仲良いじゃん？」

「確かにな」

「なんかさ、Aちゃんと景光の方が兄妹に見えねぇ？」


残りの酒を煽る。追加で頼もうか


「じゃあお前の目に降谷とAはどう映ってるんだ？」


降谷とA


初めはそうでも無かったのに


最近になって何処か違和感を感じていた


そう、例えばあの二人が＿＿




「恋人、みたいな」


そんな風に見える俺はきっと何処かおかしい




＿＿あいつらって本当の兄妹だよな？だなんて

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