好きです。だから。さようなら。2【降谷零】

25’ブルーベリーキャラメル ページ25

『わ、...やっぱり高いですね』

「だな。高い所苦手だったりするのか」

『平気ですよ！どちらかと言うと高い所好きだったりします』


今私達が来ているのはベルツリータワー


そう言えば前も松田さんとレストランの最上階から米花見渡したなぁ、なんて


「でもレストランの時の何倍だ？」

『何倍...かは分からないですけど、園子ちゃんが634mって言ってました』


一度園子ちゃんに誘われたんだけど、その日に別の用事があるか何かで行けなかったんだよなぁ


遂にベルツリータワー昇ったよって学校で報告しよう



「へぇ。Aの友達？」

『はい、鈴木財閥の娘で私と同い年なんです。それにベルツリータワーは鈴木財閥からの投資でバックアップあるらしくて』

「チートかよ」


本当にそう思う

園子ちゃんお金持ちな上に強い彼氏いるし、蘭ちゃん、世良ちゃん自身も強いし...


皆がチート過ぎるのか私が平凡過ぎるのか...前者後者両方だな




でも、...松田さんの言う好きって、私なんかの何処がいいんだろ



米花を一望しながら頭の片隅でそんな事を考えていれば、雪崩の様に流れ込んで来たお客の圧に押される


『え、あっ＿＿』


「A」



松田さんと引き剥がされる直前に掴まれた腕


何とか離れ離れになりかけた所を回避する


「大丈夫か」

『はい...』



松田さんが掴む腕を引き寄せると、途端に距離は最小限まで近くなった



「...人、多いから。離れんなよ」


依然として手は繋がれたままで


熱い手と顔を上手く隠せる筈もなく米花をただひたすらに一望していた

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