23’クレープシュゼット ページ23
公道の、時計台の真下で佇む松田さんを発見
小走りで駆け寄り手を上げた
『すみません、遅くなってしまって』
「全然待ってねーよ。俺も今来たとこだし」
さらりとそんなイケメン発言を溢せば、上から下までジロジロ見られる
『どうされました?』
「...ん、可愛いと思って」
...へっ、と府抜けた声と共に沸き上がる羞恥を差押え出来ず顔に出る
「そろそろ行くか」
腕時計をチェックした松田さんが歩き出し、その姿を追い掛けて隣を歩いた
**
『あの、ここは...』
満員客席のお洒落なカフェ
客の8割が女性だ
「ここ今人気のスイーツ店なんだとよ。そういうの好きだろ?」
『好きは好きですけど...』
まさか、なんて自惚れた邪な考えを振り払って向かい合わせで席に着く
メニュー表を真剣に凝視した後、店員さんお呼びだしボタンに触れる
「ご注文をどうぞ」
『私はこのクレープシュゼットで』
「じゃあ俺はコーヒーと、...あとこれも」
「かしこまりました。ご注文を繰り返させて頂きます__」
混んでいるから品が届くのもそれなりに時間掛かるだろうかとぼんやり考えていれば案外そんな事は無かった
テーブルに置かれたスイーツをしっかりカメラに納める
「松田さんは...タルト・タタンですか!いい線いきますね」
宝石ばりに輝くスイーツにテンショ上がった私は調子に乗ってそんな事を聞く
「らしいな。当店ナンバーワン商品だとよ。...ほら、Aにやる」
松田さんの前に置かれた筈の1ピースタルト・タタンをそのまま差し出される
『えっと、食べないんですか?』
「Aにと思って頼んだやつだから」
良いから食えと言う松田さんに思いきって聞いてみた
『あの、こんな事聞くのは自意識過剰だと思うんですけど...__元々リサーチ済みだったんですか?』
「...そりゃ、調べるだろ。自分の好きなやつと出掛けるんだから」
『なっ...』
好きなやつ、って。そんなに堂々と
「もしかして俺が告ったの忘れたか?なんならもう一度言ってもいいけど」
『お、覚えてます!大丈夫です!!』
「ふ〜ん??」
ニヤニヤしながら頬杖をついて見てくる松田さんから視線をズラし、必死に何も考えないようにスイーツを食べ始めた
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時