1’アップルパイ ページ1
「...そんな簡単に諦められるのか、降谷への想いは」
鋭い眼光がより光る
『諦められるも何も、諦めなきゃいけないんです。だって__』
__妹だから。その言葉は言わなかった
きっと松田さんも理解してると思うから
「諦めなきゃいけない理由は無いだろ」
それでも尚、言いたい事の趣旨が伝わっていないのかその必要は無いと断言してくる
『法律上の問題があるじゃないですか』
それを口にすれば、自身の手に乗せられた彼の手に力が込もる
「...んなの、分かってて好きなんだろ?」
迷いの無い強い輝きの瞳
堪えられずに再びうつ向いた
『分かってて、好きなんです。でもどうしようも無いじゃないですか』
少しの反抗はただの八つ当たりだ
どうしていいか分からない思いをぶつけてるだけ
「それを伝えた事あるのか」
『無いです。きっと拒絶されるに決まってます』
「伝えても無いのに諦めんのかよ」
『だって...』
そこでふと考えた
『松田さんは...私が兄を好きな事。正直引きますよね』
力無く笑って見上げた
その瞳は依然として光を残したままだった
「...引かねぇよ。だからAも降谷を好きな事に自信を持て。__Aなら、大丈夫だから」
私なら大丈夫、その言葉の真意を確かめられなくて『警察官がそんな事言っていいんですかね』と小さく呟いた
だけど松田さんに話したおかげで、この想いも自分の事も前向きに考える事が出来たかもしれない
涙を流すのは、心の中のみで充分だ
松田さんと別れ、玄関の扉を開いてリビングを目指す
兄が目を覚ましていない事がせめてもの救いだった
松田side
「...これで良かったんだよな」
離れていくAの背中を眺めながら、背中を押してやった事に悔いは無い
だけどAが簡単に諦められ無い様に、俺だってお前の事諦められねぇんだよ
大丈夫、は無責任に伝えた訳じゃない
そこにれっきとした理由がある
ソファに腰掛けたまま空虚を見つめ、煙草とライターを取り出す
煙草を一本くわえて火を着ける__が、その手を止めた
「...ここ、禁煙か」
ソファから立ち上がり、マンションから出て背を向けた
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時