好きです。だから。さようなら。2【降谷零】

15’ドレンチェリー ページ15

景光side




このどうしようも無い拗らせた恋心を抱く親友に、幼馴染みとして親友として何か出来る事は無いかと考える

と言っても中々思い浮かばない

それに松田の気持ちも知っちゃってるから蔑ろにして進める事は出来ないしな




うーんうーんと頭をフル回転にし、腕を組んで考える


＿＿うん、駄目だ。全然わかんね


ただし、それは「何か出来る事」であって「ハンデ」の部分じゃない


兄と妹と言う家族関係では。




「ゼロは何をそんなに意地張るんだ？もう諦めろよ」

「何の事だ」

「兄でいる事」

すんなり躊躇いも無く答えれば鋭く睨まれる

だがそんなゼロの姿でさえ無駄な足掻きだ



「いくらヒロでも本気で言ってるなら怒るぞ」

「俺は本気で言ってるけど」


ただゼロには素直に気持ちと向き合って欲しい



...この、ゼロの葛藤を拭ってやりたい



「なぁゼロ。お前は何をそんなに強情で貫き通す？自分の心の内を閉じ込める事が全て丸く収まるとでも思ってるのか」


「兄が妹にこんな感情抱くなんて気持ち悪いだろ」

自嘲気味に寄せた眉間に手を当てるゼロ



「＿＿もういいだろ、ゼロもAも。お互い兄妹の肩書きに縛られ過ぎだ」

聴こえたか分からない。寧ろ聴いていたのか分からない程にゼロはただ疲れた様子で俺の方を見ていた



...＿＿解放されていいんだ


兄と妹という、固有名詞で表現するような虚言は。





「いい加減築き上げた物を壊して素直になれよ





＿＿お前らは本当の兄妹じゃ無いんだから」

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