俺はお前の、お前は俺の (ページ8)

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【過去話】再会。ページ8

春から「別れてくれ。俺ともう関わるな。」と言われてから7年…。

『こんばんは〜♡今日も来てくれたんですね！』

23歳になった私は歌舞伎町でキャバ嬢をしていた。
”桜”という源氏名でNo.1の座にいる。

毎日大企業の社長や政治家、時には反社系の人まで…
色んな人が私を指名して来店する。

春と別れてからも私は春を忘れられなくて、春以外の人と付き合う気にもなれず、体を重ねることもなかった。

どうやったら彼に再会ができるか…それだけを考えて過ごしてきた。
夜の世界に長くいるけど、春に繋がるような情報はまだ手に入っていない。

春は7年前、関東事変という抗争の後、突然姿を消した。

数カ月して、突然現れたかと思ったらいつも通りの春だった。
ある日、1日デートをして水族館や2人で度々訪れていた海に行ったんだ。
その海で"別れて欲しい"と言われた。

理由はおしえてくれなかった。

その日から春のことは見かけることも名前を聞くこともなくなって、私は高校卒業と同時に夜の世界へ飛び込んだ。

このお店を選んだのは、1番裏社会との繋がりが強いと噂だったから。

表社会で生活しても春の情報は得られなかった。
それは彼が表社会の人間でなくなったことを意味していると思った私は、裏社会に近づく決意をした。

今まで何気なく過ごしていた毎日が急に変わり始めた。