平凡な俺の日常その14 ページ15
NO side
「へぇ…ほんとに外でやってる」
影山が日向へ上げたボールは、重力に習って落ちることなく誰かの手に乗っかった
「君等が初日から問題起こしたっていう一年？」
少し馬鹿にしたような口調で日向を見下ろしているのは水鶏のクラスメイトである月島蛍
その後ろには幼馴染の山口忠もいる
月島「小学生は帰宅の時間じゃないの？」
日向「う"ぅ…」
月島の煽り文句を前に、悔しそうな表情を見せる日向は
「誰なんだお前ら！」と、二人に向かって叫んだ
影山「入部予定の他の一年か？」
日向「お、おい！俺が話して…」
影山「お前、身長は」
日向「おい！」
そんな日向の言葉を無視して一人、難しい顔をした影山は月島に問いかけた
山口「ツッキーは188センチあるんだぜ」
山口「もうすぐ190だ」
月島「何でお前が自慢すんの…山口」
山口「あ、ごめんツッキー…」
幼馴染らしいスムーズな会話を挟み「あんた、北川第一の影山だろう？」と、煽り対象を日向から影山に変えた月島
月島「ああ、あと水鶏A」
月島「あの煩いのも同じ中学なんだっけ」
月島「そんなエリート達が…なんで烏野にいんのさ」
「北川第一」
「水鶏A」
この二単語を月島が口にした瞬間、露骨に表情が曇った影山
影山「あ？」
なぜ月島がAの事を知っているのか、
どこかしらで関わりがあるからなのか、
もし今日の練習で仲良くなったのだとしたら、
眉間にシワを寄せ、必死に考えていた時
「おぉい！！」という日向の明るい声で、霧がかかったように暗くゴチャゴチャとしていた脳内が一瞬で晴れ
それと同時に、月島が「水鶏A」という単語を発した時のモヤモヤとした感情がなんなのかを知る日はまたさらに遠くなった
日向「土曜日は絶対！負けないからな！」
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作者名：ふか | 作成日時：2024年3月28日 0時
