平凡な俺の日常その1 ページ2
中学最後の大会
飛雄は
いや
飛雄のトスは、チームメイトによって拒絶された
『飛雄…』
なにかに絶望したような真っ暗な目をした飛雄に駆け寄ろうとするも
金田一「ほっとけあんなやつ…」
金田一の分厚い手が俺の肩に乗っかり、飛雄と俺の間に大きな溝をつくった
あぁ、だめだ
これ以上離れたら飛雄が
『金田一離してっ…』
飛雄が一人になっちゃう
金田一「なぁ、A…」
俺が飛雄とみんなを"繋げ"なきゃ
金田一「おいっ、」
必死に止めようとする金田一の手を振り払い、ベンチへ一歩、足を伸ばした
その時
金田一「…お前だけだよ!!」
『ぇ、?』
いつも温厚な金田一から出た大きな声に俺の体が固まった
金田一「…あいつのこと仲間だと思ってるのも、信用してるのも、」
金田一「お前だけなんだって…」
熱く煮えたぎっていた頭は、ガツンって何かに殴られたみたいに冷たく冷静になり
一呼吸着いた後周りを見渡せば「もう限界」そう言いたげなチームメイトの目は、ベンチに座ってる飛雄を刺している
金田一「冷静になれって」
影山「…」
俺達のやり取りが聞こえているのか否か、ベンチに座って頭からタオルをかぶってる飛雄
どんなことを考えてるかなんて俺には分からない
でも
『勝つ…から』
『…そこで見てろよ』
影山「…」
また飛雄がコートに戻ってくる機会を俺が作れば
きっといつもの飛雄に戻ってくれる
いつもみたいに、純粋にバレーを楽しんでる飛雄が見られる
負けてない
まだ落ちてないから
負けてない
落ちないように、俺が"繋ぐ"だけ
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作者名:ふか | 作成日時:2024年3月28日 0時