信じて… (ページ45)

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黄side ページ45

じゃあお前は佐久間のこと最初から100%信じられたのか、と問われれば、正直俺も、疑ってしまったってのが事実。

動画の存在と、警察の対応が、佐久間のこと、クロって示してるみたいで…

話を聞こうよ、と俺を説得する目黒にも酷いことを言った。

ｽﾀｯﾌ「やってないって言ったって、現に警察にいるんだろ？ってことは、なんか後ろめたいことやってんだろ？」

けど、今、あの時の俺と似たようなセリフを聞いて心に浮かぶのは、悲しみ、怒り、もどかしさ…やってないんだけど、それをハッキリと示すすべの無い状況に、募る歯痒さ…

当事者の佐久間はもっともっと、感情が掻き乱されて、そのせいで話せなかったのかも、なんて、今ならそんなことまで考えられる。

黄「…当然、警察の判断には、従います。良くない結果だった時には、佐久間だけじゃなくて、俺らもグループとして責任はとります。」

でも、あの時の俺は、気持ちばかりが先走っていた。

初めての警察沙汰、拡散されていく動画、迫るタイムリミット、警察からの呼び出し、何も話してくれない佐久間…色んなものに追われ、焦った俺から出た言葉は、完全に冷静さを欠いたものだった。

結果、最後に見た佐久間は、酷い顔色で、俺らの存在にビクビクして、呼吸乱してぶっ倒れて…そんな佐久間に何もしてやれなくて…

黄「でも、佐久間に非がないとわかった時には、今まで通り、佐久間を俺らの傍にいさせてください。お願いします。」

紫「お願いします」

でも、佐久間のこと、見捨てたわけじゃない。

佐久間とずっと一緒に居たい。笑っていたい。

その願いはずっと変わらないんだよ。

今すぐじゃなくて構わない。
言い訳だと思われてもいい。

いつか、ちゃんとその気持ちを佐久間に伝えられたらなって思う。

佐久間のいないSnowManなんて、
想像できないんだから…

だから今は、目の前の大人たちと向き合うしかない。

「まぁ、警察が無罪と判断しても、活動に支障は出るだろうねぇ」
「活動自粛が妥当かと…」
「これだけ報道されて、彼にまだタレントとしての価値があるのかい？」

飛び交う大人たちの意見に眉を顰めながら、それでも歯を食いしばって、頼み込んだ。

重苦しい雰囲気の漂う中で、ふっかと頭を下げ続けた。

ダメだ、無理だ、そう何度も否定され続ける俺らに、

「深澤くん！岩本くんｯ！」

ドアの向こうから現れたスタッフだけが、弾んだ声で名前を呼んでくれた。