信じて… (ページ5)

今日:25 hit、昨日:19 hit、合計:46,922 hit

桃side ページ5

歩くには遠い、道路は混んでる、
なら、電車で帰るしかないっしょ！

そう決めてからは早かった。

スマホで最寄りと電車を調べると、すぐ近くに地下鉄の駅を発見。そこからの電車に乗れば乗り換えにも困らなそうだったし、イヤホンを耳に入れて仕事帰りの人の波へと足を踏み入れた。

・

・

・

「らっきー」

ホームに着いてみれば、人はまばら。日が当たらないから少しひんやりとした外より快適なホームで、持ち歩いてたゲーム機を取り出して電源を入れた。

顔バレしちゃうかなぁってことはちょっと怖かったけど、ゲームするために俯いてれば顔を見られにくいだろう。タイミングよく、髪色もピンクじゃなくて金だし、この東京じゃそんな目立たないから大丈夫なはず。

指を動かしながらあれこれ考えていると、少し耳障りな音と共に電車が到着。

(うーん、座るのは無理か… )

少し顔を上げて辺りを見回すと、東京のこの時間帯にしては空いている電車ではあったけど、席は埋まってて車内には数人立ってる人がいた。

乗り降りの邪魔にならないように、と、比較的空いているところに立って電車の発車を待った。

俺の家の最寄りまでは30分ほど。
揺れが激しいところもあったけれど、体幹でどうにか耐えられるレベル。ゲームも順調にできて、たまにはこんな帰りもいいなー、なんて、そんなこと考えてた。

あの時までは。