信じて… (ページ39)

今日:15 hit、昨日:19 hit、合計:46,912 hit

紫side ページ39

『もしもし？』

ふわふわとした寝起きの頭に響く着信音に
ディスプレイの表示も見ず、通話ボタンを押せば、目に入れても痛くない、あの子の声。

紫「…らぁう？」
白『うん、ラウール。…ごめんね、寝てた？』
紫「いまちょうどおきたとこ。だからだぁいじょうぶよ」
白『そっか…』

いつもの声と比べて、なんだか泣きそうな声なのは、寝起きの俺を気遣ってか、それとも何かあったのか…

この子のことも守らないとって、
親心にも似た気持ちが溢れ出てくる。

白『あのね…ぼく、今ふっかさん家にいるよ。』
紫「ふふっ…おるすばんしてくれてんだ」
白『そーだよ。今日すっごく早起きして、康二くんと来たの。』

本当は聞きたいことがあって電話してきたんだとは思う。

俺ん家にいるなら、舘さんあたりから事情も聞いたんだろうから…

白『待ってるから…だから、早く帰ってきてね…』
紫「雨がやんだら、かえるよ。」

でも、文句を言ってこないのも、詳しく聞いてこないのも、きっとあの子の頭の良さ故。

今だって、「わかった。じゃあね。」なんて、素直に電話切っちゃうんだから。

可愛いねぇ、とつい口癖が音になって漏れちゃう。

黄「あれ、ふっか起きたの？」
紫「…うん。天使にモニコされた」
黄「ﾊﾊｯ笑なんだよそれ」

体を起こせば、照が気づいて声をかけてくれた。
食欲ある？って聞かれて、ボサボサ頭をそのままに、テーブルにつけば、目の前に置かれる湯気の立つスープ。

いつぞやのひーはん(ひーくん特製チャーハン)以来の照の飯に、少しだけテンションも上がった。