信じて… (ページ38)

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白side ページ38

「失礼しまぁす…」

そっと寝室を覗けば、ムワッとした空気の中で、あべちゃんとめめが眠ってる。

さっき、僕大きい声出しちゃったけど、2人が起きなくて良かった…
そう思う反面、2人も相当疲れてるんだってわかって、なんだか悲しくなった。

ゆっくり近づいて顔を覗くと、めめはスヤスヤ眠ってるみたい。それでも目の下にくっきり隈があるから、疲れてるのは一目瞭然。

一方、阿部ちゃんは、眠ってるのに眉間にシワ…嫌な夢でも見てるのかな…起こした方がいいのかな…でも、目を覚ました阿部ちゃんに何を言えば…

岩本くんたちが阿部ちゃんと喧嘩して出ていったのが明け方…何時かはわからないけど、それから眠ったとしたら、もう少ししたら自然と起きてくるよね…？

無理に起こすのも気が引けて、ズレてるタオルケットを掛け直して、静かに寝室を後にした。

橙「ラウ、どうやった？」

白「2人とも寝てたけど、あべちゃんはなんだか苦しそうで…起こすか迷ったんだけど…」

橙「うーん、とりあえず寝かせてあげよ？さっくん帰ってくる時に元気でおってもらわんとアカンからなぁ」

リビングに戻ると、康二くんはキッチンに居た。

康二くんに2人のことを報告しながらも、気になるのはソファーの舘さんのこと…さっきと変わらない姿勢で顔が見えないから眠ってるのか、眠れてはないのか…それすらもわからない。

橙「ダテも疲れてるんよ。ゆっくりさせたって。」

リビングで立ち尽くす僕に、康二くんはいつもと変わらない声を掛けてくれた。

橙「ラウこっち来て、味みて？」
白「うん」

3人の為に、とお粥を作る康二くん。
「どう？」と僕の顔を覗くその顔は、いつもよりかっこよく見えた。

白「すっごくおいしい…」
橙「ほんま？よっしゃ、ほな次は俺らのご飯作るな！」

いつもは、年下の僕とでも対等に話したり喧嘩したり、そんな関係だから忘れがちだけど、康二くんもれっきとした先輩。

SnowManの中じゃ泣き虫だの甘えん坊だの言われるけど、関西では先頭に立って率いるお兄ちゃんだったわけで…

経験したことの無い苦境に立たされても、周りの人を気遣って、そして自分で考えてできることをする姿は、見習うべきお兄ちゃんの姿に他ならない…

白「康二くん、僕ちょっと電話してくるね？」
橙「誰に？」
白「…ママ。心配してると思うから。」

でも、僕だっていつまでもお兄ちゃんたちに引っ張ってもらうだけじゃダメなんだ…

自分から動かないと…