白side ページ37
やってしまった…
舘さんのこと、傷つけちゃった…
そう気づくのも、康二くんに言われてからで。
中高生の時は、発言一つで周りの人をヤキモキさせることもたくさんあって、メンバーやマネージャーさんにも注意されてた。
でも、最近は僕自身も気をつけるようになったし、周りからの指摘もほとんどなくなったから、僕も成長できたのかなって思ってたけど…悪い癖はそう簡単には直ってなかったみたい…
舘さんがこんな緊急事態を傍観してるわけないのにね…最低だよ、僕…
そんな僕を、舘さんも、許してくれるわけなくて、僕から顔を逸らして休んでしまった。
どうしていいかわからなくて、舘さんの名前を呼んでみても、何も返してくれなくて…
僕に泣く資格なんてない…そんなことわかってるのに、目から次から次に涙がこぼれてくる…
いつも僕を気にかけてくれる舘さん…
ずっと許してもらえなかったらどうしよう…
僕のせいでグループが上手くいかなくなったらどうしよう…
頭の中が、不安でいっぱいになっていく中で、トントンと肩を叩かれた。
橙「ラウ、あべちゃんとめめのこと見てきてくれへん？」
白「でも…」
橙「頼んだで！」
康二くんは僕の背中を笑顔でそっと押して、リビングから送り出してくれた。
リビングの扉を閉めれば、そこは僕だけの空間。
薄暗い廊下で独りになれば、少しだけ気持ちも落ち着いた。
舘さんを傷つけちゃったことはもう変えられない。
許してもらえるように、舘さんに代わって僕が頑張るしかないよね…
康二くんが僕にめめとあべちゃんのこと任せてくれたんだ…
2人のことしっかり支えないと…
本当に舘さんに合わせる顔がなくなっちゃう…
深く息を吸って、吐いて…
情けない顔をパチンと叩いて、目元を拭った。
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作者名：舞雪 | 作成日時：2023年5月5日 0時
