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橙side ページ36

白「舘さん何してたんだよ!!
みんなを止められるの、舘さんしかいなかったんじゃないの!?」

橙「ラウールッ!」


思わず肩を掴んで、少しダテと距離を離せば、
なんだよ!と言わんばかりにラウールに睨まれた。


けど、俺も怯むわけにはいかん。

今のダテに掛ける言葉として、ほんまにその言葉、合ってるか?そんな思いでラウールの目を見つめ返した。


橙「ダテを責めるんはちゃうやろ?」


ラウが怒る気持ちも分からんことはない。
でもな、ダテが何もせんかったわけがないやん…

さっくんのこと、あべちゃんとめめのこと、そして照にぃたちのこと。全部知ってんのはダテがずっと頑張ってくれてた証拠やんか。


正直、物理的に離れてて何もできんとおった俺らとは違って、聞いてるだけで目眩がするような中にずっとおったんやで?ダテはちゃんと頑張っててんで?


きっとそんなことくらい
頭のええラウールなら自分でわかるやろ?



赤「ごめん…ラウールのいうとおりだよ…もっと、なにかできたよね…」

白「ちがう、ごめんなさい、おれッ」



次第に俺の思いを理解してくれたのかオドオドしだすラウールに、そんなラウを気にする素振りもなく、自分で自分を苦しめるダテ。


そんな苦しい光景、見てられへんかった。


橙「ダテ、もうええから。あとは俺らに任せて休んでや?」

赤「いや…あべとめぐろ、ごはん、せんたくもの…かたd」

橙「もぉええから。2人のことは俺らが看とく。家のことも全部やるから、お願いや。休んでほしい」

淡々と自分がしないといけないことを言い出すダテに、もう、俺の方が泣きそうやった。

限界超えても頑張ろうとするんはダテのええとこかもしれへんけど、今は違う。ちょっとは頼って欲しい。

口の動きは止まったけど頑なに動こうとしないダテを見て、泣く寸前の顔したラウが抱えるようにしてソファーに運んでくれた。

ラウールに少しだけ抵抗したダテやったけど、もうそんな気力も尽きたのか、ソファーに着けば、自ら体を倒した。


白「…だてさん、ごめんなさい…おれ、酷いこと言っちゃった…」

赤「らうーるは、なにもわるくない…わるいのは、おれだよ…」


ラウの言葉に、また自分を傷つけたダテは、背もたれの方を向いて顔を隠してしまった…


白「だてさんッ…」


その姿に、ラウールはついに、雫を落とした。

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作者名:舞雪 | 作成日時:2023年5月5日 0時

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