信じて… (ページ35)

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橙side ページ35

いつもみたいに、拗ねたふりして「俺らのこと忘れてたん!?」って、文句のひとつくらい言ってまおうかと思った。

けど…いざ言おう思ってダテの顔を改めて見たら、そんな言葉、喉の奥の方で消えてしもうてん…

いつもの気品溢れるオーラも、ボケる時の明るさも今のダテになくて、少しつついたら壊れちゃいそうなくらい儚く見えたから…

いつもはそんなことせぇへんけど、
なるべく、優しく、言葉を選んで話しかけるようにした。

橙「ほんで、照にぃたちは？」

赤「ここにはいないよ…」

橙「え？…ふっかさん家に全員集合言うたよなぁ？」

赤「…阿部たちと揉めてね、明け方、出ていっちゃった…」

そこまで言うと、ダテは溜息をついて、項垂れてしまった。

ダテがこんなに落ち込んでる理由はこれやったんか…
照にぃたちおらんのに、あべちゃんもめめも寝込んでるなんて…しかも明け方やったなら、さっくんの事もダテが看てたってことやんな…

思ってたよりだいぶ酷い状況で、ダテが頑張ってたんやとわかればわかるほど、次に何を言えばええんかわからんくなった…

けど、良くも悪くも怖いもの知らずのこの子は違ったんよな…。

白「んだよ！！なんでそうなんの！？」

ラウールの大きな声が、ダテの肩を震わせた。