信じて… (ページ34)

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橙side ページ34

スタッフさんやらマネージャーさんに無理言って、予定より随分早く、始発で地方から帰ってきた。
それでもふっかさん家にたどり着いたんはお昼になるかならないかという頃。

ふっかさん家のエントランスには記者が何人かおるのがわかって、それでまた、現実なんやって思っちゃった。

チャイムを鳴らしても誰も出てくれへんくて、マネージャーさんに、玄関のドアの鍵を開けてもらった。

橙「ふっかさーん、おーい…」
白「…なんか、おかしくない？」

家に無断で入るんも気が引けて、一応声をかけてみてもシンと静まり返ってて、人の気配がない。

今日はメンバーみんな、ふっかさん家に集まることになってるはずやねんけど…

いろんな調整で忙しいというマネージャーさんとは玄関先でお礼を言って別れ、ラウと2人で足を踏み入れた。

少しドアが開いていた部屋に入れば、そこには虚ろな目をしたダテが窓の外を見るように壁にもたれて座ってるだけで、他には誰もおらん。

白「舘さん？…だてさーん？」

ラウールが声をかけても動かないダテ。
不思議に思って目の前で手を振ると、漸くダテは俺らの存在に気づいて、顔を上げてくれた。

橙「だて、おはようさん。っていう時間でももうないけどな笑さっきチャイム鳴らしてんけど聞こえへんかった？みんなはどこおるん？さっくんは？」

俺の声に目を何度かぱちぱちさせたダテ。
なんだか、いつもよりスローペースというか、その口元がなかなか動かなかった。

いつも通り話しかけたつもりやったけど、上手く伝わらへんかったんかな…？

橙「ごめん、一気に聞きすぎたわ。
みんなは？どこにおるん？」

ちょっとゆっくりめに、聞き直せば、ダテも分かってくれたんか、あぁ、と声を漏らした。

そして、一息ついたダテは、いつも以上のゆったり口調で、徐に昨晩からの出来事を話してくれた。

さっくんがまた警察に行ったこと、
そして、さっくんの体調が良くないこと。
阿部ちゃんとめめが、今寝込んでること…

ダテの口から告げられるんは、俺とラウが知らされてない悪いことばっか。

橙「…なんで黙ってたん」
赤「ごめん…そこまで、頭、回らなかった」

ダテがホンマに俺らに言うんを忘れてたのかはわからん。要らん気遣いで俺らに言わんかったんかもしらん。

でも、仲間はずれにされてるみたいで、ちょっと寂しかった。