信じて… (ページ33)

今日:30 hit、昨日:19 hit、合計:46,927 hit

黄side ページ33

「…ふぅ…」

目を開けた途端、頭が痛い…
薄暗い部屋に響く雨の音のせいなのか、それとも、これから始まる憂鬱な日々のせいか…

その結論が出ないうちに、体を起こした。

カーテンから差し込む僅かな光に照らされた薄暗い部屋を見渡せば、
足元にはスヤスヤ眠る翔太、
右隣にあるソファーの上には寝苦しそうに眉間に皺寄せてるふっか。

時計の短針は12を指していて、
なんだかんだ5時間くらい寝ちゃったんだって、
ぼーっとする頭で考えた。

スマホを開けば、
舘さんからメッセージが来てて、
佐久間が予定通り警察に行ったこと、
ふっかの家に舘さんが今日もいることが
簡潔に書いてあった。

この状況に触れないのが、舘さんの優しさなのか、それとも、静かに怒ってるのか、文字だけじゃわかんない。

「はぁ…」

少なくとも、舘さんには悪いことしてる…

佐久間を任せっぱなしにしてる間に、阿部と目黒と言い合いになって、埒が明かないからって3人まとめてふっかの家を飛び出したわけだし…

少し寝て、時間を置いた今なら、2人とあそこまで言い合う必要もなかったんじゃないかって思う。

けど、今なら素直にふっかの家に戻れるか、阿部たちと話が出来そうかというと、そんな気分でもない。

方向は同じ方、向いてるはずなんだけどな…

「はぁ…」

昨日のことを考えてると、また一段と頭がズキズキしてきて、ふっかたちもまだ寝てるし…なんて、ずるい言い訳をして、体を床に戻した。

こんなことしてても何も変わんない。
佐久間のこと、助けてあげらんない。
そんなこと、頭ではわかってんのに、
何もする気になれなかった。