信じて… (ページ30)

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赤side ページ30

赤「佐久間…」
緑「さく…さくまｯ!!」

俺の声に顔を上げた阿部は、一目散に佐久間に駆け寄った。

その佐久間は、立っていることすらやっとの様子で、目線もずっと下を向いたままだし、ドアに凭れたり、凭れなかったりフラフラしてて危なっかしい…

見てるこっちまで苦しくなるほど体調の悪さを全身で表す佐久間を、いつもなら、まずソファーに座らせてあげるところなのだろうけど…

紫「佐久間…お前さ、やったの？」

俺が動くより先に行動に移したのはふっかだった。

緑「ふっか、今はｯ」
紫「阿部は黙ってろｯ!!佐久間、お前やったのか、やってねぇのか？」

ふっかは珍しく語気を荒らげ、佐久間に問いかけた。

20年近く一緒にいて初めて聞く、ドスの効いたふっかの声…阿部も、いつもと違いすぎるふっかを目を丸くして見つめるだけ。

桃「…ﾊｧｯ…やって、ない…」
紫「嘘ついてねぇな？」
桃「うそなんかｯ…うそ、ついてないｯ…ほんとうにｯおれっ…やってない…」

ふっかは、佐久間の目の前まで迫り、じっと佐久間を見つめ始めた。無言の圧力ってやつを遠目からでも感じる。

佐久間も佐久間で、必死に顔を上げ、目と声で「やってない」って何度も何度もふっかに訴えかけてて、でも、ふっかは何も答えず、佇むだけ…

そんな年長2人の入る隙を与えないような雰囲気に飲まれた俺たちは、2人のやり取りをただ見てるだけだった…